さんさしんけいつう

三叉神経痛

神経

目次

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概要

三叉神経痛とは、顔の感覚を司る三叉神経に起因する痛みのことを指します。血管や腫瘍などで三叉神経が圧迫されると、三叉神経痛の発症に至る可能性があります。三叉神経痛では、あご周辺が痛むことがあり、歯に由来する痛みと間違われることもあります。

また、三叉神経痛は、主に60歳代以降の方に見られることが多く、男性よりも女性に多い傾向があるとされます。

三叉神経痛による痛みは、発作的であり一日に繰り返すこともあります。痛みによって日常生活をスムーズに送ることができなくなり、生活の質が低下することも懸念されます。

原因

三叉神経痛は、主に三叉神経が血管によって圧迫されることを原因として発症します。顔面の感覚は三叉神経が司り、眼神経(第1枝)、上顎神経(第2枝)、下顎神経(第3枝)に分かれています。そのため、三叉神経が圧迫を受けると、顔面に激痛が引き起こされる三叉神経痛の発症に至ると想定されています。

三叉神経への圧迫は血管によるものが代表的ですが、そのほか腫瘍が原因となることもありえます。何が圧迫の原因になっているかによって、どのような治療を行うかが検討されます。

症状

三叉神経痛は、神経が支配する領域に対応して、突発的な痛みが生じることが特徴的です。疼痛部位としては第2・第3枝領域の頻度が多いです。持続時間は数秒であることもあれば、長くて2分程度痛みが持続することもあります。三叉神経痛の痛みは、一日のうちに何度も繰り返されることもあります。

痛みの性状は鋭く、激痛であり針を刺されたように感じられることもあります。焼けるような痛みとして認識されることもあります。

また、三叉神経痛の痛みが日常生活の行動によって誘発されることもあります。すなわち、歯磨きや化粧、洗面、ひげ剃りなどに伴って、顔を刺激することで痛みが惹起(じゃっき)されることもあります。

三叉神経痛の痛みの度合いは、患者さんによって異なります。患者さんによっては、歯の痛みと間違って認識されることもあります。そのため、歯科や口腔外科など、神経痛を専門としない領域の医院を受診される方もいます。

また、三叉神経痛によって、多大なるストレスを感じる方もいます。痛みが反復されることから、日常生活の質が低下し、円滑な日常生活を送ることができなくなることもあります。

検査・診断

三叉神経痛を診断するには、症状の項目で記載したような特徴的な症状を評価することが大切です。痛みの出現が発作的である、痛みは数秒〜数十秒程度の短い時間である、日常生活動作に関連して痛みが惹起されることがある、などの情報を確認することが大切です。そのため、経過・症状を詳しく聞き取ることが、三叉神経痛の診断には必要不可欠であると言えます。

また、三叉神経痛は、血管や腫瘍などによる圧迫で引き起されることが知られています。こうした物理的な刺激が神経にかかっていないかどうかを確認するために、頭部CTや頭部MRIといった画像診断が検討されることもあります。

三叉神経痛と類似した症状をきたす病気は、いくつか知られています。病状から別の病気の存在が疑われる際には、それら別の病気を除外するための血液検査や画像検査なども検討されます。

治療

三叉神経痛の治療としては、薬物療法や神経ブロック療法、手術療法、ガンマナイフ療法を挙げることができます。

薬物療法としては、抗てんかん薬が代表的であり、カルバマゼピンが第一選択薬です。また、神経の痛みが内服薬でコントロールできない場合には、痛みの元となっている神経に対して神経ブロックを行い、痛みを和らげることもあります。

そのほか、血管や腫瘍などが原因となって三叉神経痛が惹起されている場合には、手術的な治療が検討されることもあります。血管と神経の位置関係を改善させることで、神経への圧迫を軽減し三叉神経痛の緩和を図ります。また、腫瘍が原因となる際には、原因となる腫瘍の摘出、ガンマナイフによる腫瘍への対応なども検討されます。

三叉神経痛は、日常生活の質が著しく阻害されることが懸念される病態です。その一方で、適切な治療を行うことで三叉神経痛を緩和することが期待できる状態でもあると言えます。そのため、痛みの性状から三叉神経痛が疑われる際には、早い段階で専門の医療機関を受診し、患者さんに合わせた適切な治療を受けることが、とても大切であると言えます。