さんさしんけいつう

三叉神経痛

神経

目次

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概要

三叉神経痛とは、顔面の感覚を司る三叉神経が血管などによって圧迫されることで生じる神経痛です。三叉神経痛で発症する痛みはとても強くかつ突発的であり、なかにはうつ症状を併発することがあります。

また、三叉神経痛は「虫歯」と間違われることが多々あることも知られています。実際、虫歯として治療を受けた後も痛みが持続することをきっかけとして三叉神経痛が診断されることもあります。

三叉神経痛は血管が圧迫されて発症することが多く、神経血管圧迫症候群として知られています。血管が動脈硬化で蛇行することが原因の一つであると考えられており、そのため三叉神経痛は50代以降(特に60〜70歳代)で多くみられるようになり、やや女性に多い傾向があります。

血管による圧迫の解除を行うことが根治治療となりえるため、三叉神経痛の治療では手術の適応が検討されることになります。

原因

三叉神経とは脳神経の一つであり、脳幹から出た後に「眼神経」、「上顎神経」、「下顎神経」に分岐、顔面の各種部位に分布して顔面の感覚を司るようになります。

三叉神経のそばには血管も同時に走行しており、加齢とともに動脈硬化などを起こして屈曲した血管が神経を圧迫することを原因として三叉神経痛が発生します。血管が三叉神経を圧迫することを原因とする三叉神経痛が、原因の大半を占めていると考えられています。

その他、何かしら同定できる基礎疾患に続発する形で病気が発生することもあり、この三叉神経痛のことを「症候性三叉神経痛」といいます。症候性三叉神経痛を起こす主な疾患には、多発性硬化症・帯状疱疹・脳腫瘍(三叉神経鞘腫・髄膜腫・類上皮腫)などがあります。

症状

三叉神経痛の症状は、発作性に生じる激烈な顔面の痛みです。痛みの性状は針で刺されたような焼け付くような痛みです。顔面の痛みは左右どちらかに発生し、持続時間は数秒〜数十秒と短く、長くとも2分以内に終わることが多いです。痛みを感じる間は何も手につかなくなることがありますが、痛みが治まると通常の生活に戻ることが可能です。

歯磨きや化粧、食事や会話など顔面を動かすことをきっかけとして三叉神経痛は誘発され、1日のうちに何度も繰り返す傾向があります。また、圧痛点といい、刺激をすると痛みが誘発される部位が存在することもあります。

三叉神経痛を感じやすい時期も存在し、季節性に変動することも知られています。特に春と秋に痛みを感じることが多く、数か月から数年痛みがないこともあれば、突然再発するなどの周期性を認めることも特徴です。

三叉神経痛は上あごや下あご、頬の痛みを自覚する病気であることから、病初期の間は虫歯や顎関節症の痛みであると間違われることもあります。実際に、虫歯として治療を受けたにもかかわらず痛みが改善することなく、虫歯の治療からしばらくして三叉神経痛が診断されることもあります。

似たような痛みを生じる病気に「舌咽神経痛」と呼ばれるものがありますが、舌咽神経痛の痛みはものを飲み込むときに生じることが特徴であり、ものを噛むときに生じる三叉神経痛との区別になります。

検査・診断

三叉神経痛は、典型的な痛みの症状と頭部MRIといった画像検査をもとにして診断がされます。頭部MRIでは、血管が三叉神経を圧迫している所見がないかどうかを確認することになります。同時に、脳腫瘍や脳動脈瘤など、症候性三叉神経痛を引き起こすような病気が潜んでいないかどうかを確認することもあります。

症候性三叉神経痛の一つである多発性硬化症も、頭部MRIで特徴的な画像所見を観察できることがあります。 しかし、三叉神経が走行する部位の構造は複雑であり、実際には頭部MRIを行っても、神経と血管の病的な位置関係が必ずしも同定できないことがある点には留意が必要です。

治療

三叉神経痛の治療法には、薬物療法や神経ブロック療法、手術療法、放射線療法などの治療方法があります。薬物療法としては、カルバマゼピンやプレガバリン、バクロフェンと呼ばれるものがあります。これらの薬剤の薬効性は高く、特に三叉神経痛のような神経に関連した痛みに対しての効果は高く期待できます。

またその一方、三叉神経痛は血管による圧迫が根本的な原因であることも多いです。そのため、手術療法にて神経に対しての血管による圧迫を解除することで治療効果を期待することもあります。手術療法としては、「微小血管神経減圧術」と呼ばれるものになります。

さらに、神経ブロックでは局所麻酔薬等を用いて神経の感覚を麻痺させたり、神経破壊薬を使用して、原因となっている神経を破壊したりすることもあります。効果はそれぞれ数か月から1年以上持続することが期待できます。

その他、ガンマナイフ治療と呼ばれる放射線療法が選択されることもあります。この治療では病変部位に対してピンポイントにアプローチを行うことが可能であり、上述の治療に加えて効果的な治療方法として選択されることがあります。

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