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インタビュー

三叉神経痛とは——歯痛と間違われやすい病気

三叉神経痛とは——歯痛と間違われやすい病気
松島 俊夫 先生

福岡山王病院 脳神経機能センター長、国際医療福祉大学 教授

松島 俊夫 先生

顔面痛のひとつで歯痛と間違われやいのが三叉神経痛です。虫歯として歯科で治療を受けても痛みが消失しないとして、脳神経外科を受診されることが多い病気です。痛みのため日常生活にも支障を来すため、正確な診断と適確な治療が求められます。福岡山王病院 脳神経機能センター長の松島俊夫先生に三叉神経痛についてお話を伺いました。

三叉神経は顔面の感覚を支配しており、「眼神経」「上顎神経」「下顎神経」という3つの神経からなります。これらの神経のうち1つ、あるいは複数の神経が血管や腫瘍などによって圧迫されることで生じる発作性の顔の痛みのことを三叉神経痛といいます。動脈硬化を起こした脳の血管が三叉神経を圧迫することが、主な原因と考えられています。

(図:福岡山王病院 松島先生より提供)

三叉神経痛は顔面に起きる発作性の神経痛で、通常は右側か左側のどちらか片方だけに現れる片側性の激しい痛みです。食事をしたり、歯磨きをしたり、話をしたり、何かの顔の動きにともなって痛みが発生します。上あごや下あご、頬のあたりが痛むことが多いため、虫歯や顎関節症などと間違われやいのも三叉神経痛の特徴です。一般歯科を受診して治療をしても痛みが治らずに原因がわからないということで、歯科や口腔外科から紹介されて脳神経外科を受診される患者さんも少なくありません。患者さんによっては抜歯された後に受診される方もいます。また、痛みのため食事ができず、体重を減らして来院されます。

男女比率は2:3程度で、女性に多く発症するといわれています。中年以降60歳以上が70%以上を占めており、特に60〜70歳代に多くみられる病気です。三叉神経痛の痛みは、人間が感じる痛みの中でも非常に強いといわれています。ただし手足が麻痺したり、言語障害を起こしたりすることはありません。

顔面痛のひとつである三叉神経痛は、歯痛などと間違われやすく診断が難しい病気です。鑑別診断が必要な病気としては、脳腫瘍多発性硬化症帯状疱疹後の神経痛顎関節症副鼻腔炎などがあります。その他にも喉の奥に三叉神経と同じような痛みを起こすものに舌咽神経痛があります。舌咽神経痛はものを飲み込む時に起こる神経痛ですが、ものを噛む時に痛みが起こる三叉神経痛との区別が必要となります。

三叉神経痛の特徴としては、以下のようなものがあります。

  • 片側の顔面に起きる発作性の痛み
  • 痛みの持続時間は1秒から30秒くらいと短く、1日に数回発生する
  • 痛みは針で刺されたような灼けつくような痛みである
  • 食事や会話、歯磨きや化粧など、触れたり顔面を動かすことで誘発される
  • 触れると痛みを誘発するトリガーポイント(発痛点)がある
  • 数か月から数年ほど痛みが起こらないこともあるが、再発を繰り返す
  • 発症初期は歯痛と間違われやすい

痛みの感じ方というのは人によって千差万別です。同じような痛みでも、耐え難いと感じる方もいれば、我慢できる許容範囲という方もおられます。人種によっても痛みの感覚は違うようで、特に欧米の方は痛みに弱いといわれています。そのため三叉神経痛は外国に多く、治療として手術を受けられる方も多いようです。一方日本人は耐え忍ぶ方が多く、なかなか病院に受診されませんし、受診しても手術まで希望する方が少ないのも現状です。

痛みというのは非常に大きなストレスとなります。日常生活の質(QOL)の低下を招き、生活にも支障を来すため早期に正しく診断し、適確な治療をすることが求められています。そのためには、三叉神経痛という病気を正しく知ってもらうことに加えて、歯科や口腔外科など他科の先生方への啓発も必要だと考えています。

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