歯科や口腔外科からの紹介で脳神経外科を受診する方も少なくないというのが三叉神経痛です。病気の中でも最も強い痛みを伴うため、うつ病になってしまうこともあるといいます。三叉神経痛の薬物治療について、福岡山王病院 脳神経機能センター長の松島俊夫先生にお話を伺いました。
三叉神経痛の治療には「薬物療法」「神経ブロック療法」「手術療法」「放射線療法」などいくつかの治療法があります。患者さんの症状や年齢や希望などによって治療法の選択を行いますが、ここでは薬物治療に関してお話しします。三叉神経痛は、薬が非常に良く効く病気です。なかでも三叉神経痛の特効薬として使用されているのがカルバマゼピンです。カルバマゼピンは三叉神経痛の第一選択薬ですが、第二選択薬にはプレガバリンやバクロフェンといったものがあります。
私のところに来られる患者さんで多いのは、「診断が正しいか診てほしい」あるいは「薬(カルバマゼピン)が効かない」という方です。患者さんによく話を聞くと、治療の初期には効果があったという方も少なくありません。そのような時には、薬が本当に効いていないかどうかを確かめるため、しばらくの間、薬の服用を中止してもらいます。薬が効いている場合には、服用を中止することで激痛が走るようになります。つまり、薬は効いているがそれまで服用していた薬の量では足りていないということです。
カルバマゼピンは、通常日に100〜200mgから開始して400mg程度が常用量となります。それ以上、例えば500〜600mgまで増量すると、ふらつきや眠気といった副作用が強く現れます。ひどい時は発疹・発熱まで出現します。逆に用量が少なすぎると痛みを完全にとることができないということも起こりうるため、患者さんにあった薬の用量を調節する必要があるのです。
また、間違った薬の飲み方をしている場合もよくみられます。薬は食後に飲むものと思っておられる方も多いと思いますが、カルバマゼピンの用法は、通常の痛み止めの薬とは少し異なるのです。痛みが起きてから飲むのではなく、痛みが起きないように予防的に服用することが必要となります。三叉神経痛は食事をしたり、口を動かしたりして痛みを生じるため、食事の30分から1時間ほど前に服用するよう指導しています。正しい用量と正しい飲み方を指導することで、痛みが減ったり消失したという患者さんは多数いらっしゃいます。
古賀病院21 脳神経外科
古賀病院21 脳神経外科
微小外科解剖の研究で世界的な権威であるフロリダ大学ロートン教授のもとに留学し、微小外科解剖を学んだ。それ以降、後頭蓋窩の微小外科解剖と手術をライフワークとしてきた。第四脳室病変への「小脳延髄裂経由法」、三叉神経痛に対する「小脳テント吊り輪牽引法」や小脳延髄槽病変や舌咽神経痛に用いる「顆窩経由法」など、微小外科解剖を学んだからこそできる手術アプローチ法をあみ出した。後進への指導も熱心で、微小外科解剖と手術の手引き書「後頭蓋窩の微小外科解剖と手術(日本語)」を2006年に、またそれを改編し、英語版として2014年に出版している。また微小外科解剖に加えて、日本人に多いもやもや病の専門家でもある。
松島 俊夫 先生の所属医療機関
関連の医療相談が13件あります
診療科目はどこでしょうか?
いつもお世話になっております 昨日からお顔がピリピリしびれたり治ったりを繰り返し 今吐き気もしてます 何科で診てもらえばいいでしょうか?
顔左側目のあたりの急な腫れ
今日急に顔の左側が目を中心に腫れてきました。食べ物のアレルギーもなく、虫に刺された訳でもないので、不安です。痺れと腫れがあり、顔面左側が熱くなってきてひきつっています。湿布を貼った方がいいでしょうか?治しかたを教えてください。
右耳から喉にかけて
今日初めて出た症状です 右耳の下の奥から喉の真ん中あたりにかけて『線』のような感覚があり、その線が痺れると言うかビリビリとした痛みが何秒か続き治まりました これが昼と夕方に1度ずつありました これはリンパ線ですか?血管ですか? 受診したほうがいいですか?でも今まで行った耳鼻咽喉科の先生はなんか話をちゃんと聞いてくれなかったので行きたくないですが…
眼精疲労?
昨日から右目の奥が痛いのですが、右だけと言うのが気がかりですが、ただの疲れ目でしょうか。
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「三叉神経痛」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。