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てんかん

てんかん

最終更新日
2020年12月07日
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2020/12/07
更新しました
2020/10/08
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

てんかんとは、脳が一時的に過剰に興奮することで、意識消失やけいれんなどの“てんかん発作”を繰り返し引き起こす病気のことです。

私たちの脳は数百億もの神経細胞によって成り立っており、神経細胞が電気的な興奮を引き起こすことでさまざまな情報が伝達されていきます。てんかんは、神経細胞の電気的な興奮が過剰に発生する部位が生じ、脳のはたらきに異常が引き起こされることによって発症します。

てんかんには症状の現れ方や原因によってさまざまなタイプがあり、乳幼児から高齢者まで全ての年代で発症する可能性があります。タイプは、画像検査などではっきり原因が分からないタイプと画像上で異常を示すタイプに大別されます。後者は外傷による脳へのダメージ、脳卒中脳腫瘍アルツハイマー病など脳の病気によって引き起こされます。乳幼児や小児は原因が分からないタイプが多く、高齢者は病気や外傷によるタイプが多いことが特徴です。

てんかんの症状は人によって大きく異なりますが、多くは適切な治療を行うことで発作を抑制し、問題なく社会生活を送ることができるとされています。一方で、頻繁に発作を繰り返して徐々に脳の機能自体が低下していくケースでは、症状に応じて適切な社会的支援を受ける必要があります。

原因

てんかんは、脳の神経細胞が過剰な電気的興奮を引き起こすことによって起こります。過剰な電気的興奮が生じる原因はさまざまです。

近年の遺伝子診断の進歩により、分類や用語が変わってきています。成人発症てんかんの4割は今なお原因不明ですが、近年の遺伝子診断の進歩により“素因性てんかん(以前の特発性てんかん*)”が遺伝子との関連が指摘されています。

一方、以前“症候性てんかん“と呼ばれていたてんかんは頭部外傷脳出血脳梗塞脳腫瘍、皮質形成異常といった脳の構造的な異常や脳炎などの感染、免疫の異常、または代謝の異常が原因であると考えられています。

*検査を行っても異常が見つからない原因不明のてんかん

症状

てんかんを発症すると、意識消失やけいれんなどの“てんかん発作”が繰り返し引き起こされるようになります。

発作症状の現れ方は非常に幅が広く、神経細胞の異常興奮が生じる部位や強さによって大きく異なります。発作の主な分類としては、脳全体が同時に巻き込まれる全般発作と、脳の一部から発作が生じる焦点性発作があります。焦点性発作は、発症部位がつかさどる機能に何らかの異常が現れるようになります。具体的には、手や足の運動をつかさどる部位に発症した場合は手足のけいれんが生じ、視覚をつかさどる後頭葉に発症した場合は視覚や視野の異常といった症状が現れるようになります。また、側頭葉などに波及した場合は、けいれんしなくても開眼したまま意識を失い動作が停止する、手足をもぞもぞ動かしたり口をもぐもぐさせたりするなど、見た目では分かりにくい意識消失発作をきたすことも少なくありません。

焦点性の場合も、神経細胞の異常興奮が脳全体に広がっていくケースもあります。このような場合には、意識消失や全身のけいれんといった症状が現れます。発作自体は通常数十秒から数分で自然に収まりますが、発作終了後もしばらく意識が朦朧(もうろう)としていることが少なくありません。患者自身はこのような発作が生じている最中の記憶はないとされており、車の運転中などに発症することで思わぬ事故を引き起こすケースがあります。

てんかんと認知症の違い

てんかんと認知症の違いは、認知症が普段から物忘れや行動の症状が常時みられるのに対し、てんかんは発作を起こしていないときはまったく正常であることです。

普段しっかりされているにもかかわらず、記憶がまったく欠落していることがある、または上記のように意識を失っている場面を何度か目撃されている人は速やかにてんかん外来を受診し、診察を受けることがすすめられます。

検査・診断

てんかんが疑われる場合は次のような検査が行われます。

脳波検査

てんかんの診断に必須の検査です。頭皮にいくつかの電極を装着し、脳の神経細胞の電気的な活動を波形として記録します。てんかん患者では、発作が生じていなくても脳波で異常な電気活動がみられることがあります。

なお、一般的な脳波検査は暗く静かな室内で安静にした状態で行われ、てんかん発作を誘発するために光を点滅させる、過呼吸を行う(最近は新型コロナがあり避けることが多い)などの負荷をかけながら反応を評価する検査も多くの場合行います。

外来の脳波は30分~1時間程度であり、脳波中にてんかん発作を同定することは通常難しいです。てんかんを診断するために発作を脳波で確実に同定しなければならない場合はてんかんセンターに入院し、数日から1週間脳波とビデオを同時記録する“ビデオ脳波”検査がなされる場合があります。

画像検査

脳自体に腫瘍などてんかん発作を引き起こす病気などがないか調べるために、CTやMRIを用いた画像検査が行われます。一部の症例では、さらに詳しくてんかんの焦点を調べるのに、脳血流検査(SPECTなど)や脳の代謝をみるためのPET、深部のてんかん性異常を検出するための脳磁図(MEG)を行うこともあります。

血液検査

てんかんと似たような症状は、一部の薬剤による影響・中毒や、低血糖や電解質の異常などによって引き起こされることもあるため、それらの病気を除外する目的で血液検査も行うことが一般的です。

治療

てんかんの治療は基本的に神経細胞の異常興奮を抑える作用を持つ抗てんかん薬の内服治療が行われます。多くは、抗てんかん薬の服用を続けることでてんかん発作を抑制することができ、通常の社会生活を送ることができるようになります。

一方で、複数の抗てんかん薬の服用を続けても発作が難治に経過する場合があり、それに対してはてんかん外科治療が有効な場合があります。発作の起始が明確に同定された場合、異常興奮が生じている脳の一部を切除する手術(焦点切除術)が有効です。内側側頭葉てんかんに対する海馬扁桃体切除術や側頭葉切除術は高い確率で発作のコントロールが得られることが証明されています。

てんかん外科治療には、脳の手術以外に迷走神経刺激装置植え込み術もあります。てんかん病巣の切除が困難な場合、頸部の迷走神経に電極をまき、ペースメーカーのような発動機を胸部の皮下に留置し常時刺激を行うことで、発作の頻度を減らしたり発作の程度を軽くしたりする効果があります。

そのほかにも、糖や炭水化物を制限して脂質の多い食事を取る“ケトン食療法”、小児のウェスト症候群に対して副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を注射する“ACTH療法”もてんかん発作を抑える作用があるとされており、薬物療法と併用して行われることがあります。

予防

発作の予防

てんかんは発症原因がはっきり分からないケースも多く、確立した予防方法は現在のところありません(2020年10月時点)。しかし、てんかんと診断された場合は抗てんかん薬の内服継続など適切な治療を続けていくことで発作をコントロールすることが可能です。

症状がないからといって治療を自己中断すると、思わぬ場面で発作が再発し発作が止まらなくなる(重積)や肺炎外傷などの危険な合併症や交通事故などを起こす可能性があります。そのため、必ず担当医の指示に従って治療を行っていくようにしましょう。

また、薬剤投与にもかかわらず発作がよくならない場合は、日本てんかん学会認定てんかん専門医による診断や薬剤調整、てんかん外科治療、食事療法などさまざまな治療の選択枝もあるため、諦めずにてんかんセンターの受診を担当医とご相談ください。

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