インタビュー

てんかん発作の種類――けいれんや意識障害など種類はさまざま

てんかん発作の種類――けいれんや意識障害など種類はさまざま
神 一敬 先生

東北大学大学院医学系研究科 てんかん分野 准教授

神 一敬 先生

中里 信和 先生

東北大学大学院医学系研究科 てんかん学分野教授

中里 信和 先生

目次
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この記事の最終更新は2015年04月21日です。

てんかんの発作というと、全身がけいれんし、意識を失うものを想像しますが、発作にはさまざまなタイプがあります。

脳の神経細胞が、過剰に興奮した状態がてんかん発作です。てんかん発作は、大きく分けて「全般発作」「部分発作」に分類されます。(参考記事:てんかんとは――誰でも何歳からでも発症する可能性のある病気
全般発作は最初から一気に脳全体が興奮状態になるもの、部分発作は、脳の一部から興奮が始まるもので、そこから最終的には脳全体に広がる場合もあります。

大人の場合、部分発作が割合として多いです。小児では全般発作が多く起こります。

発作の症状は、全般発作、部分発作それぞれの中でさらに細分化されます。

全般発作の中で代表的なものは以下の3種類です。

全身が硬直して意識を失う強直(きょうちょく)に引き続き、全身をガクガクとけいれんさせる間代(かんたい)が現れます。

ボーっとなり、一時的に意識がなくなる発作です。数秒から数十秒の間、突然意識が途切れて、素早く回復する定型欠神発作と、意識障害に加えてほかの症状も現れる非定型欠神発作があります。

欠神発作と一緒に現れる症状としては、舌なめずりや手を揉むなどといった「自動症」や、次に紹介する「ミオクロニー発作」などがあります。

小児期~思春期発症のてんかんに多くみられる発作です。体を一瞬ビクっとさせるのが特徴です。

この3種類のほかに、下記のような発作もあります。

小児のみに起こる発作でスパズムともいいます。全身の筋肉が緊張し、頭部前屈(頭が前にガクンと倒れる)、両手を振り上げる、両脚が屈曲するなどの症状がみられます。

全身の力が急に抜けて、崩れるように倒れてしまう発作です。

部分発作は、「単純部分発作」と「複雑部分発作」の2つに分かれます。

意識は保たれているのが特徴です。吐き気、目がチカチカする、嫌なにおいがするなどの感覚発作や部分的な運動の発作などが起きます。

ボーっとなり、一時的に意識がなくなる発作です。口をクチャクチャさせたり、手足をモゾモゾさせたりする自動症がみられることもあります。

割合としてもっとも多い側頭葉てんかんの複雑部分発作では、

  1. 一点を見つめ動作が停止した状態
  2. 自動症がみられる状態
  3. 発作後のもうろう状態

の順に症状が展開するものが典型的です。

複雑部分発作は、前項で紹介した全般発作の中の欠神発作との区別が難しく、注意が必要です。

 

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