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てんかんの助成制度1─自立支援医療制度で医療費の負担を減らす
てんかんと診断された場合、一部の例外を除いては、抗てんかん薬を生涯服用していくことになります。長期間にわたる治療なだけに、医療費の負担は大きくなりがちです。そんなときに利用したいのがさまざまな福...
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てんかんの助成制度1─自立支援医療制度で医療費の負担を減らす

公開日 2015 年 06 月 05 日 | 更新日 2017 年 05 月 08 日

てんかんの助成制度1─自立支援医療制度で医療費の負担を減らす
中里 信和 先生

東北大学大学院医学系研究科てんかん学分野教授

中里 信和 先生

てんかんと診断された場合、一部の例外を除いては、抗てんかん薬を生涯服用していくことになります。長期間にわたる治療なだけに、医療費の負担は大きくなりがちです。そんなときに利用したいのがさまざまな福祉制度。主に3つの制度があります。今回は「自立支援医療制度」を紹介します。

てんかんは精神病なのか?―医学的にはNO 制度上は精神疾患に分類

それぞれの福祉制度をご説明する前に、てんかんという疾患の認識についてご説明します。日本の福祉制度を利用する際、てんかんは精神疾患に分類されています。「自分は精神障害者なのだろうか」と思われる方もいるかもしれませんが、これはあくまでも制度上の分類です。医学的には脳の病気であり、精神疾患ではありません。

てんかんによる精神症状が出るケースもありますが、精神症状がみられない場合でも、これらの福祉制度は利用することができます。

自立支援医療制度とは:医療費負担を3割→1割に

「自立支援医療制度」とは、てんかんを含む精神科の病気と診断され、通院治療が必要な人に対する助成制度です。医療費の負担を減らすことが目的で、大きく2種類のサポートが受けられます。

◆医療費負担が1割に

病院やクリニックでの通院治療のうち、公的保険に適応する治療の自己負担額は、通常は3割です。しかし、自立支援医療制度を利用することで、負担が1割になります。対象となるのは外来での診察・投薬・検査・往診・訪問介護・デイケアなどです。

◆所得に応じて一定額を超えたら支払いが不要に

自立支援医療制度では、1ヶ月に支払う医療費の上限が決まっており、それを超えた場合には支払いが免除されます。上限額は患者さんの所得によって異なります(チャートA参照)。所得は、通院する患者さんと同じ保険に加入している人を「世帯」として、世帯あたりの所得を計算します。

チャート A 所得別医療費負担上限額*

世帯所得   上限額
生活保護世帯   0円
市町村民税
非課税世帯
受給者の収入が80万円以下 2,500円
市町村民税
非課税世帯
受給者の収入が80万円以上 5,000円
市町村民税
課税世帯
市町村民税 33,000円未満 5,000円
市町村民税
課税世帯
市町村民税 33,000円以上235,000円未満 10,000円
市町村民税
課税世帯
市町村民税 235,000円以上 20,000円

自立支援医療制度の有効期限は1年なので、毎年更新が必要です。認定された際に交付される「自立支援医療受給者証」「自己負担上限額管理票」を病院や薬局を利用する際に毎回提示しましょう。

自立支援医療制度の申請:市町村の窓口でおこなう

自立支援医療制度の利用申請は、市町村の窓口でおこないます。窓口の名前は自治体によって異なりますが、「保健福祉課」などという名前のところが多いです。不明な場合は、「自立支援医療制度の申請をしたい」と伝えて窓口を教えてもらいましょう。
手続きに必要なものは4つです。

◆申請書

市町村の窓口にある申請書に記入したものを持参しましょう。医療機関でもらえる場合もあります。

◆診断書

通院している医療機関の医師の診断書が必要です。申請日から3ヶ月以内に記入されたものに限ります。この制度の対象になるのは、「指定自立支援医療機関」に限られています。事前に医療機関に確認をしましょう。

◆世帯の所得が確認できるもの

課税証明書、非課税証明書、生活保護受給証明書など、世帯の所得を確認できる書類を用意します。市町村の窓口で手に入るものがほとんどです。

◆健康保険証

加入している医療保険の被保険者証、被扶養者証、組合員証などです。世帯全員の名前が記載されているものを持参しましょう。コピーで大丈夫です。

以上は一般的な例です。市町村によっては必要な書類などが異なる場合もありますので、窓口で確認してみてください。

参考文献

チャート出典:渡辺裕貴(2014)『てんかんのある人が利用できる福祉制度 3つのサポート』

記事1:てんかんの問診と検査─外来で可能なことと、入院で行うべきこと
記事2:てんかんとは─誰でも何歳からでも発症する可能性のある病気
記事3:てんかん3 てんかんの治療のゴール─「発作ゼロ、副作用ゼロ、将来への不安ゼロ」
記事4:てんかん4 てんかんの外科治療─薬で発作が消えない場合は手術を考えよう
記事5:てんかん5 てんかんと運転─基本は「自分のてんかんを正しく知る」こと
記事6:てんかん6 てんかんと妊娠(1)─多くの場合、特別扱いは不要
記事7:てんかん7 てんかんと妊娠2 てんかんと妊娠に関する3つの不安─流産のリスクは低い
記事8:てんかん8 てんかんと日常生活1ーお酒はNG、コーヒーはOK
記事9:てんかん9 てんかんと日常生活2ー薬の飲み合わせに注意
記事10:てんかん10 てんかんの助成制度1ー自立支援医療制度で医療費の負担を減らす
記事11:てんかん11 てんかんの助成制度2ー社会生活をスムーズにする精神障害者保険福祉手帳
記事12:てんかん12 てんかんの助成制度3ー障害年金で生活費をサポート
記事13:てんかん発作の対処法
記事14:てんかん発作の種類。けいれんや意識障害など種類はさまざま
記事15:てんかんと仕事ー発作の有無がポイントになる

2010年3月、大学病院初の「てんかん科」を設立。2011年4月には研究講座名を「てんかん学分野」と改名。てんかんの診療改革として、「1時間外来」や「2週間検査入院」を展開。研究面では、超伝導センサを使った脳磁図計測を、てんかんの診断や脳研究に応用する国際的権威。教育面では、てんかんへの偏見や差別を取り除くアウトリーチ活動を展開している。

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