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てんかんの治療法と日常生活での注意点〜横須賀市立うわまち病院 てんかんセンターで行うてんかん治療

てんかんの治療法と日常生活での注意点〜横須賀市立うわまち病院 てんかんセンターで行うてんかん治療
角 春賢 先生

横須賀市立うわまち病院 小児科

角 春賢 先生

目次
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てんかんに対しては、症状を抑える抗てんかん薬の内服が基本的な治療法です。てんかんの治療は、患者さんによっては長期間にわたることがあります。横須賀市立うわまち病院 てんかんセンターでは、長期にわたるてんかん治療を一貫して行うことで、患者さんが地域で安心して暮らしていくためのサポートを行っています。

今回は、てんかんなどの小児神経疾患を専門とする、横須賀市立うわまち病院の小児科の角春賢先生に、てんかんの治療法や日常生活での注意点、てんかんセンターの特徴についてお伺いしました。

てんかんの治療法

薬

基本的には抗てんかん薬による薬物治療を行う

てんかんの基本的な治療法は薬物治療です。薬物治療では、てんかんのタイプに合わせて、症状を抑制するための「抗てんかん薬」を処方します。

基本的には単剤で治療を行いますが、症状の抑制が難しい場合には、複数の抗てんかん薬を処方する場合もあります。効果がみられないようであれば、適宜処方する薬を変更します。

また患者さんによっては、外科手術が適応となる場合があります。外科手術は脳神経外科で行います。

薬物治療を開始するタイミング

初めてけいれんなどの発作を起こした患者さんに対しては、まずは問診や脳波検査、MRI検査などによって、発作がてんかんによって生じたものかどうかの精査を行います。

薬物治療の期間

薬物治療の期間は患者さんの発作状況や社会状況によって大きくかわってきます。

薬物治療の中止は、患者さんやご家族とよく相談のうえで行います。抗てんかん薬を服用している間は症状を抑え込むことが可能ですが、てんかんの種類によっては服薬を中止することで発作が起こるリスクが高いものもあります。そのリスクについて患者さんやご家族にご説明をしたうえで、よく相談して中止を決定します。

日常生活の中での注意点

てんかんの方には、主に以下の3点に気をつけて日常生活を送っていただきたいと思います。

抗てんかん薬の服用をしっかり継続する

まず基本的なことは、医師から処方された抗てんかん薬をしっかりと服用することです。抗てんかん薬はいつ起こるか分からない発作を抑え込むための薬です。継続的にしっかりと服用することが大切です。

生活リズムを整える

てんかんの種類によっては、不規則な生活リズムが発作を引き起こす原因となります。特に、睡眠不足などによって発作が引き起こされることがあります。そのため、規則正しい生活を心がけるようにしましょう。

突然の発作に備えて危険を回避する

入浴中などにてんかん発作が起きた場合、湯船で溺れてしまい、命を落としてしまう患者さんもいらっしゃいます。そのため、1人で湯船に入らないようにしたり、シャワーだけにしたりなど、突然の発作時に危険な状況を回避することが重要です。

子どもがてんかん発作を起こしたときの対処法

落ち着いて症状の観察を

お子さんがけいれんなどの発作を起こしたときには、まずはお子さんの周りに危険なものがないかどうかを確認したうえで、落ち着いて症状を観察してください。その際可能であれば、発作の様子を動画撮影していただくことで、その後の診療で役に立つ場合があります。

通常、けいれん発作は数分程度で消失します。5分以上けいれんが続く場合や、けいれんがおさまっても顔色が悪かったり、意識の回復が見られなかったり、呼吸が乱れた状態が続いたりするときは救急要請を考慮してください。

横須賀市立うわまち病院 てんかんセンターについて

須賀市立うわまち病院 外観

須賀市立うわまち病院 外観

神奈川県は、てんかん診療に関する医療機関の連携体制を強化し、専門的な相談支援、てんかんの正しい知識の普及啓発を行うため、2018年4月1日、聖マリアンナ医科大学病院を「てんかん診療拠点機関」に指定しました。

しかし、現在のところ、1つ施設があれば十分というわけではありません。てんかん診療は、さまざまな施設・医療者が連携していかなければ機能しません。そこで、横須賀市立うわまち病院は、同じく2018年4月1日、聖マリアンナ医科大学病院と連携する形で、てんかんセンターを設立しました。さらに2019年からは、横浜市立大学脳神経外科とも連携し、神奈川県全体のてんかん診療の充実をはかっています。

今後、さまざまな施設のてんかん診療に携わる方々との連携の中心としても、てんかんセンターは機能します。本章では、本センターの特徴についてお話しします。

安心して地域で暮らしていくために−子どもから大人まで一貫して診療を行う

てんかんは子ども(特に乳幼児期)の頃に発症し、その後長い期間にわたり治療が必要となる慢性の病気です。通常てんかんの診療は、中学生までは小児科、高校生からは脳神経内科等の小児科以外が担当することが多いため、成長するにつれて担当医が変わってしまうことがあります。

しかし本来は、最初から最後まで、患者さんの経過をすべて把握している同じ担当医が一貫して患者さんをみていくことが理想的です。

当院のてんかんセンターでは、患者さんが子どもから大人になるまで、同じ担当医が継続して診療を行います。そして、ずっとこの地域で安心して生活できるようなサポートをしていきたいと思っています。

小児科医が中心となり、さまざまな診療科の医師やスタッフと連携を図る

てんかんセンターでは、てんかん治療を専門的に行う小児科医が中心となり、あらゆる診療科の医師やスタッフと連携を図りながら診療を行っています。

患者さんが成長していく中で、てんかん以外の病気を発症してしまうこともあります。そのようなとき、中心にいる小児科医がコーディネーターとなって、さまざまなスタッフを巻き込みながら総合的にてんかん患者さんをみることができるような体制を整えています。当院はもともと診療科間の垣根が低いこともあり、スムーズな連携が取れていると実感しています。

またてんかんの患者さんには高齢者が多いことからも、将来的には院外の福祉施設などとも協力しながらてんかん患者さんをサポートしていければと思っています。

角春賢先生からのメッセージ

角先生

てんかんの患者さんは1,000人中4〜8人いらっしゃるといわれており、決して珍しい病気ではありません。当院にもてんかん発作で救急搬送されてくる患者さんは多くいらっしゃいます。

お子さんがてんかんと診断されたとき、「無事に大きくなってくれるのだろうか」「きちんと生活できるのだろうか」などさまざまな不安を感じる方は多くいらっしゃいます。そのような不安を少しでも軽減し、地域で安心して暮らせるようなお手伝いをするのが、てんかんセンターの役割だと思っています。

てんかんだからといって、生活に困ったり、不利な立場に立たされたりしないよう、治療が終了するまで私たちがしっかりとサポートをしていきたいと思います。