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インタビュー

てんかんとは─誰でも何歳からでも発症する可能性のある病気

てんかんとは─誰でも何歳からでも発症する可能性のある病気
中里 信和 先生

東北大学大学院医学系研究科 てんかん学分野教授

中里 信和 先生

てんかん」とは、脳の異常によって起こる発作を特徴とする病気です。「発作の分類」「病気の分類」の2つの大きな分類があり、診断の説明をうける時には自分がどのタイプのてんかんなのか、医師の判断を聞くことが大切です。

てんかん発作というと、失神やからだ全体のガクガクしたふるえを考えがちですが、実は、誰にも気づかれないような小さい発作もあるのです。

てんかんの分類には、1)発作の分類 2)病型の分類の2つがあります。どのタイプのてんかんなのかによって治療方針が変わってくるので、とても重要になります。主治医から、自分のてんかんはどこに分類されるか、なんという分類の発作なのかをきちんと教えてもらいましょう。ただし、専門の医師でも一致した分類がないのが現状ですから、あくまでも治療を行う上での目安として聞いてみることが大切です。

発作の分類は「部分発作」と「全般発作」に分類されます。これは、発作が脳のどの部分から始まるか、という判断がポイントになります。

  • 全般発作

どこから始まったかが分からず、あたかも脳全体から一斉に始まるような発作を指します。

  • 部分発作

脳の一部分で起こる発作を指します。左の大脳なのか右大脳なのか、前頭葉なのか後頭葉なのか、といったことを考えます。

最初の発作は脳の一部からでも、急速に脳全体に広がるために全般発作に見える場合も少なくありません。発作の初期の小さな症状が診断の決め手になりますから、診察では患者本人の自覚症状や、目撃者の証言をよく聞いて、参考にしています。

病気のタイプは「特発性」「症候性」に分かれています。現在はあまり用いられていませんが、知識として知っておくとよいでしょう。

  • 症候性

MRIなどで明らかな病変が確認でき、証拠がわかるものを指します。

  • 特発性

MRIなどで調べても、明らかな証拠(病変)が確認できないものを指します。
もともと特発性でも、時代とともに変化して、症候性になるケースも多くあります。

厳密な分類は専門医でも議論が多いのですが、発作の分類や病型の分類について、どのように考えているのか、理路整然と説明できる医師ならば、治療方針の説明もわかりやすいでしょう。

てんかん発作には前触れがあります。「前兆」と「予兆」、このふたつは似ているようで異なります。

「前兆」というのは、てんかん発作そのもので,大きい発作になる前に本人が自覚できる症状をさします。脳の一部が異常で、本人の意識がはっきりしているから、それがわかる。それを「前兆」と言っているのです。

一方、「予兆」はてんかん発作ではありません。例えば、今日朝から頭が痛く、発作がおきそうだという人がいます。この時、脳波を測定しても発作は確認できません。

ひとりの患者が複数の発作をもつことはよくあります。ただし、発作症状の進み方は一般的にA→B→Cというように一方向です。A→Bという進行で終わったり、B→Cで終わったり、あるいはA→Cとジャンプすることはありえますが、逆行すること(C→B→AやC→Aなど)はありません。

もし発作症状の進みが逆行している場合は、ストレスなどが原因でおこる心因性非てんかん発作を考えます。また、ひとりの患者で3-4種類の発作をもつことはありますが、5種類以上の発作を示すことはきわめて稀で、この場合にも心因性非てんかん発作が疑われます。

記事1:てんかんの問診と検査─外来で可能なことと、入院で行うべきこと
記事2:てんかんとは─誰でも何歳からでも発症する可能性のある病気
記事3:てんかん3 てんかんの治療のゴール─「発作ゼロ、副作用ゼロ、将来への不安ゼロ」
記事4:てんかん4 てんかんの外科治療─薬で発作が消えない場合は手術を考えよう
記事5:てんかん5 てんかんと運転─基本は「自分のてんかんを正しく知る」こと
記事6:てんかん6 てんかんと妊娠(1)─多くの場合、特別扱いは不要
記事7:てんかん7 てんかんと妊娠(2)てんかんと妊娠に関する3つの不安─流産のリスクは低い
記事8:てんかん8 てんかんと日常生活1
記事9:てんかん9 てんかんと日常生活2
記事10:てんかん10 てんかんの助成制度1
記事11:てんかん11 てんかんの助成制度2
記事12:てんかん12 てんかんの助成制度3
記事13:てんかん発作の対処法
記事14:てんかん発作の種類。けいれんや意識障害など種類はさまざま
記事15:てんかんと仕事ー発作の有無がポイントになる

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