検査・診断
てんかんが疑われる場合は、まず発作の症状や経過について、詳細な問診を行うことが重要です。発作時の症状については、患者さん自身は意識消失し覚えていないことが多いため、目撃したご家族やご友人と一緒に受診していただくことがすすめられます。さらに次のような検査が行われます。
脳波検査
てんかんの診断や経過観察において行われることが多い検査です。頭皮にいくつかの電極を装着し、脳の神経細胞の電気的な活動を波形として記録します。てんかん患者では、発作が生じていなくても脳波で異常な電気活動がみられることがあります。
なお、一般的な脳波検査は暗く静かな室内で安静にした状態で行われ、てんかん発作を誘発するために光を点滅させる、過呼吸を行うなどの負荷をかけながら反応を評価する検査も行います。
普段しっかりされているにもかかわらず、記憶がまったく欠落していることがある、または上記のように意識を失っている場面を何度か目撃されている方は速やかにてんかん外来を受診し、診察を受けることがすすめられます。
外来の脳波は30分~1時間程度であり、脳波中にてんかん発作を同定することは通常難しいとされています。てんかんを診断するために発作を脳波で確実に同定しなければならない場合はてんかんセンターに入院し、数日から1週間、脳波とビデオを同時記録する“長時間ビデオ脳波”検査がなされる場合があります。
画像検査
脳自体に腫瘍などてんかん発作を引き起こす病気などがないか調べるために、CTやMRIを用いた画像検査が行われます。一部の症例では、さらに詳しくてんかんの焦点を調べるのに、脳血流検査(SPECTなど)や脳の代謝をみるためのPET、深部のてんかん性異常を検出するための脳磁図(MEG)を行うこともあります。
血液検査
てんかんと似たような症状は、一部の薬剤による影響・中毒や、低血糖や電解質の異常などによって引き起こされることもあるため、それらの病気を除外する目的で血液検査も行うことが一般的です。
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