検査・診断
てんかんが疑われる場合は次のような検査が行われます。
脳波検査
てんかんの診断に必須の検査です。頭皮にいくつかの電極を装着し、脳の神経細胞の電気的な活動を波形として記録します。てんかん患者では、発作が生じていなくても脳波で異常な電気活動がみられることがあります。
なお、一般的な脳波検査は暗く静かな室内で安静にした状態で行われ、てんかん発作を誘発するために光を点滅させる、過呼吸を行う(最近は新型コロナがあり避けることが多い)などの負荷をかけながら反応を評価する検査も多くの場合行います。
外来の脳波は30分~1時間程度であり、脳波中にてんかん発作を同定することは通常難しいです。てんかんを診断するために発作を脳波で確実に同定しなければならない場合はてんかんセンターに入院し、数日から1週間脳波とビデオを同時記録する“ビデオ脳波”検査がなされる場合があります。
画像検査
脳自体に腫瘍などてんかん発作を引き起こす病気などがないか調べるために、CTやMRIを用いた画像検査が行われます。一部の症例では、さらに詳しくてんかんの焦点を調べるのに、脳血流検査(SPECTなど)や脳の代謝をみるためのPET、深部のてんかん性異常を検出するための脳磁図(MEG)を行うこともあります。
血液検査
てんかんと似たような症状は、一部の薬剤による影響・中毒や、低血糖や電解質の異常などによって引き起こされることもあるため、それらの病気を除外する目的で血液検査も行うことが一般的です。
医師の方へ
てんかんの概要、診断方針、治療方針をまとめて確認することができます。
Medical Note Expertでしか読めない、学会や医局の最新医療知見を得ることができます。
【第55回日本てんかん学会レポート】 国内初・大学病院てんかん科の挑戦―11年間の足跡(2000字)
国内の大学病院では初となる「てんかん科」が2010年3月に東北大学病院に設立された。設立当初より教授を務める中里 信和氏は、“ファーストペンギン(群れの中から天敵がいる海に最初に飛び込む果敢なペンギン)”のごとく、これまでの11年間、多くのことに挑戦してきた。本記事では、第55回日本てんかん学会学術
【第55回日本てんかん学会レポート】深層学習を用いたてんかん脳磁図の自動診断(2000字)
てんかん脳磁図は、棘波の局在を評価する重要な検査である一方、解析に多大な時間を要し、さらに診断精度が担当医師のスキルと経験に依存するという問題もある。そこで期待されるのがAI(人工知能)による自動診断だ。第55回日本てんかん学会学術集会(2022年9月20日~22日)のシンポジウムにおいて、大阪大学
【第55回日本てんかん学会学術集会レポート】大規模災害とコミュニティのレジリエンス――精神医学の視点から(2800字)
大規模災害はトラウマや突然の近親者などの喪失といった特殊な精神的ストレスをもたらす。近年は、COVID-19の感染拡大により自然災害とは異なるタイプの緊急事態に伴うメンタルヘルス問題も浮上している。富田 博秋氏(東北大学大学院医学系研究科 精神神経学分野 教授)は第55回日本てんかん学会学術集会(2
「てんかん」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「てんかん」に関連する病院の紹介記事
特定の医療機関について紹介する情報が掲載されています。