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乳がんの初期症状とセルフチェックの方法

乳がんの初期症状とセルフチェックの方法
藤岡 大也 先生

独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター 乳腺外科 医長

藤岡 大也 先生

目次
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2017年現在、乳がんは、女性が罹るがんの中でもっとも罹患率の高いがんです。しこりなど、気になることがあれば早めに乳腺外科を受診することが大切です。今回は記事1『乳がんの種類――ステージ・治療方針決定に関わるサブタイプとは』に引き続き、国立病院機構 大阪南医療センター 乳腺外科医長の藤岡(ふじおか)  大也(ひろや)先生に、乳がんの初期症状やセルフチェックについてお話を伺いました。

乳がんの初期症状として、第一に挙げられるのがしこりです。がんによるしこりは石のように硬く、大きさはその度合いによってさまざまです。また、しこりのできる位置が乳頭の下などの場合は、乳頭が陥没、変形してくることで明らかになることもありますし、皮膚に近い位置にできると、皮膚がえくぼのように陥没することもあります。

乳がんは胸の外側上部にできることがもっとも多く、半数近くになるといわれています。次に内側上部から下部と続き、乳頭乳輪の真下に発生することもあります。セルフチェックを行う際にはぜひ参考にしてみてください。

乳がんは、実は痛みのないものがほとんどです。胸や腋(わき)の周りに痛みを感じて乳がんを疑い乳腺外科を受診された方でも、痛みが乳がんによるものではなく、月経に伴う痛みや、筋肉痛神経痛などと考えられることもしばしばあります。

その一方で、炎症性乳がんや神経に浸潤した乳がんなど特殊な乳がんの場合には、痛みを生じることがあります。

乳がん
炎症性乳癌(左側) 田中先生よりご提供

乳がんは、リンパの腫れを引き起こすこともあります。しかし、胸の周りのリンパは単なる炎症でも腫れることがあるため、必ずしも乳がんによるものとは限りません。また、リンパの腫れの原因が乳がんである場合には、進行したがんであることも考えられます。

乳がんが進行した場合に転移しやすい場所として挙げられるのは、肺・肝臓・骨です。頻度としては低いのですが、転移の症状がきっかけで病院を受診し、乳がんが発覚するケースもあります。

たとえば、ただ歩いているだけで骨折してしまった方を、単なる骨折としてではなく、何らかの病気によって骨がもろくなったことによる病的骨折と診断し、詳しく調べたところ、その原因として乳がんが分かったというケースもあります。

乳がんの多くは、セルフチェックによって発見されます。ここでは基本的なセルフチェックの行い方についてご説明いたします。乳がんのセルフチェックは主に2つの観点から行います。

乳がんのセルフチェック

  • 目で見る
  • 手で触る

乳がんの症状として目で見て分かることは、乳房の変形・変色やただれ、左右の大きさに差がないかどうかです。起立した状態で、鏡を見てチェックするとよいでしょう。

入浴時に石鹸の泡などをつけ、手の滑りをよくした状態で乳房全体から腋の下あたりを触り、異変がないかを確かめます。また、乳頭を軽くつまみ、分泌物や出血がないかどうか確認することも大切です。さらに、就寝時などに仰向けになり乳房を触ることで異変に気付くこともあります。

乳がんは他のがん同様、早期に発見することができればそれだけ効果的な治療を行うことができます。検診へ足を運ぶことももちろん大切ですが、セルフチェックを行うことも必要です。

実際当院へ受診される患者さんも、ご自身でしこりに気付き受診される方が多いです。「しこりを探そう」という意識でセルフチェックを行うと、一般の方ですとなかなか判別しにくいこともあると思いますが、月に一回セルフチェックを行い、先月と違ったことはないかどうかを確認することが大切です。少しでも気になることがあれば、ぜひお近くの乳腺外科を受診してください。

増加する高齢者の乳がん
素材提供:PIXTA

当院は、地域にご高齢の方が多くお住まいということもあり、高齢の乳がんの患者さんも多く受診されています。ご高齢の患者さんの場合、乳がんのほかにもいくつかの病気を持たれていたり、体力が落ちていたりと、乳がん治療を行う際に注意が必要となるケースも多々あります。また患者さんご本人が「乳がんを治したい」というよりも、「痛み、つらさを取り除いてほしい」などと望まれることもあります。患者さんそれぞれの病状、ご希望に応じた治療を行うことが求められるでしょう。

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