新型コロナウイルス感染症特設サイトはこちら
HDLこれすてろーる

HDLコレステロール

肝臓
血液検査
血液を採取し、その中に含まれる物質などを測定する検査です。
鑑別診断
この検査だけで病名を確定することはできませんが、異常の有無やどのような病気が考えられるかなどを知ることができるものです。検査結果に応じて、さらに検査が追加される場合があります。
スクリーニング
ある特定の病気について、その可能性があるかどうかを広く知るために行われる検査です。具体的な診断をするためにはさらなる検査を必要とします。また、健康診断などで用いられることもあります。
Icon close

基準値・基準範囲(出典元:エスアールエル詳細)

※検査機関・検査方法によって異なる場合があります。

  • 男性:40以上~86以下(mg/dL)
  • 女性:40以上~96以下(mg/dL)

HDLコレステロールとは、いわゆる“善玉コレステロール”と呼ばれるタイプのコレステロールで、脂質異常症(高脂血症)が疑われる場合に血液検査で測定される項目です。

脂質異常症とは、血液中に含まれる脂質が一定の基準よりも多くなる状態を指し、悪玉コレステロールとも呼ばれるLDLコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)の数値が基準値を超える、またはHDLコレステロールが基準値を下回ることで診断されます。また、HDLコレステロールが少ないと動脈硬化を起こしやすくなることから、HDLコレステロールは脂質異常症の診断だけでなく、動脈硬化やそれに関わる病気の発症リスクの予測にも役立ちます。

コレステロールは血液中に存在する脂質の一種であり、単体では血液に溶けないため、リポたんぱくと呼ばれるたんぱく質に結合した状態で存在しています。このリポたんぱくにはいくつかの種類があり、その一種がHDL(高密度リポたんぱく質)です。HDLは血管壁に付着したコレステロールを回収して肝臓に送り届け、コレステロールの代謝を促す作用があります。このため、HDLは動脈硬化を予防すると考えられており、血液中のHDLコレステロール値が高い人は、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの動脈硬化に由来する病気を発症しにくいと考えることができるのです。

HDLコレステロールは、肥満や脂質異常症の家族歴がある人や、糖尿病などの生活習慣病を罹患している人など、脂質異常症が疑われる場合に検査される項目のひとつです。通常はLDLコレステロールや中性脂肪などほかの脂質項目も同時に測定されます。

また、健康診断や人間ドックなどの検査項目に含まれていることも多く、脂質異常症のリスクがない人に対しても検査することがあります。ただし、HDLコレステロールのみで脂質異常症の有無や、動脈硬化へのリスクを判断することはできません。

さらに、HDLコレステロール値は遺伝的な病気によって低値となることもあり、低HDLコレステロール血症の家族歴がある場合には定期的な検査が行われます。

HDLコレステロールは血液検査によって測定します。検査値はあまり食事の影響を受けないため、検査前の注意点は特にありません。しかし、一般的にHDLコレステロールとセットで測定する中性脂肪や血糖値などは食事の影響を受けやすいため、早朝空腹時に検査を行うことがほとんどです。

検査前日の夜9時以降は食事を取らず、水分も水やお茶など糖分の含まれていないものを取るようにしましょう。

検査前に心がけるとよいこと

HDLコレステロール値を測定するには、採血が必要になります。一般的に採血は腕の静脈から行いますが、袖まわりがきつい服装だと採血の妨げになるほか、採血後に血液が漏れやすくなってしまいます。そのため、検査当日は袖にゆとりがある服装を着用するようにし、冬場であれば着脱しやすい服装がよいでしょう。

検査は採血のみのため、スムーズに採血ができれば数分程度で終わります。針を刺すときに痛みを伴いますが、ほとんどの場合チクっとする程度の痛みで済むでしょう。

HDLコレステロールの基準値は、男性:40~86(mg/dL)、女性:40~96(mg/dL)です。

ただし、基準値の範囲は検査を実施した医療機関や医師の見解によって異なることもあります。検査結果によっては再検査が必要であったり、精密検査や治療が行われたりします。

HDLは動脈硬化の発症リスクを軽減する効果があるため、HDLコレステロールが高値であっても特に問題となることはありません。しかし、HDLコレステロールは、特定のたんぱくが欠損する遺伝的なもののほか、アルコール多飲などの生活習慣、ステロイドやフィブラート系薬剤などの薬物の使用や肝臓・肺などの病気によっても高値となることがあるため、100mg/dL以上の場合や急激に高値となった場合にはそれらの可能性を考慮し、精密検査が必要になるケースもあります。

一方、HDLコレステロール値が低い場合には動脈硬化を発症するリスクが高くなり、40mg/dL未満の場合には狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患を引き起こすリスクも急上昇することが分かっています。このため、定期的な血液検査や生活習慣の改善などを行っていく必要があります。

また、LDLコレステロールや中性脂肪などほかの脂質検査項目と併せて脂質異常症と診断がされた場合には薬物治療を開始する場合もあります。

HDLコレステロールは脂質異常症が疑われる場合だけでなく、健康診断などでも広く行われる検査です。HDLコレステロール値の異常は、将来的に冠動脈疾患の発症リスクが高いことを示唆する指標でもあり、検査を受けた時点で症状がなくても放置せずに医師から治療や生活習慣の改善などの指導を受けることが大切です。

また、治療の必要がない場合でも野菜や和食中心のバランスよい食生活や節酒、規則正しい生活や運動を心がけるようにしましょう。

本記事で採用している検査名称はより一般的な表現を採用しておりますが、医療機関や検査機関によって異なる場合があります。また名称が異なる場合、検査内容も一部異なっている場合があります。