こうけっとう

高血糖

同義語
高血糖症
最終更新日:
2023年02月27日
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2023/02/27
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概要

高血糖とは、血液中に含まれるブドウ糖(血糖)の量を示す“血糖値”が基準値よりも高いことを意味します。高血糖が持続する病気を糖尿病といいます。高血糖の状態が長く続くと、糖尿病だけでなく失明や腎不全心筋梗塞(しんきんこうそく)認知症などさまざまな病気の原因になります。

ブドウ糖は体の中でエネルギーとしてはたらく物質で、主に糖質(炭水化物)が分解されて作られます。エネルギーとしてすぐに使用しないブドウ糖は、肝臓で“グリコーゲン”という物質や“中性脂肪”という物質に変えられて蓄えらます。グリコーゲンや中性脂肪はエネルギーが必要になると再びブドウ糖へと変化し利用されます。

血糖値は高い状態が続いても、低い状態が続いても体に不具合が生じるため、血糖値を正常に保つためのさまざまなホルモンが備わっています。特に、膵臓(すいぞう)から分泌される“インスリン”は血糖値を下げる唯一のホルモンです。何らかの理由でインスリンの分泌が低下したり、インスリンがうまくはたらかなかったりすると、高血糖の状態が続くことになります。

血糖値は健康な方でも食事の前後で変動します。血糖値の基準値は食前で70~110 mg/dl、食後2時間で~140 mg/dl(食事内容により異なる)といわれています。食事によって上昇した血糖値はインスリンのはたらきにより食事から数時間後には食前の血糖値に近い値まで低下しますが、インスリンのはたらきが悪い方はなかなか血糖値が下がらず、高血糖状態が長く続きます。

原因

高血糖の主な原因は、遺伝的な要因と生活習慣の乱れ(環境的な要因)です。この2つが重なると高血糖になりやすく、将来的に2型糖尿病を発症する可能性があります。

遺伝的要因

生まれつきの体質としてインスリンが分泌されにくかったり、体の中でうまくはたらかなかったりする方がいます。両親や兄弟に糖尿病と診断された方がいる場合、高血糖になりやすい体質を持っている可能性が高くなります。

環境的要因(生活習慣の乱れ)

高血糖を招きやすい生活習慣としては、食べ過ぎや運動不足、それに伴う肥満、ストレスのため過ぎなどが挙げられます。このような生活習慣が持続すると、インスリンのはたらきが悪くなり高血糖になりやすくなると考えられています。

症状

軽度の高血糖では自覚症状はほとんど感じられないことが一般的です。高血糖が持続・悪化すると、喉の乾きや水分摂取量の増加、尿量・排尿回数の増加、体のだるさ、急激な体重の減少を自覚することがあります。重度の高血糖状態では、意識障害や多少の刺激では意識が戻らない状態(昏睡(こんすい))に陥り、命に関わる恐れもあります。

検査・診断

血糖値は血液検査によって測定可能です。血糖値は食前・食後で数値が大きく異なるため、検査時の食事状況により判定基準が異なります。一般的には前夜から10時間以上食事をとらない状態で朝食前に採血を行い、空腹時血糖値を測定します。

空腹時血糖値が110 mg/dl以上の場合には耐糖能異常(糖尿病予備軍)が疑われるほか、126 mg/dl以上の場合には糖尿病が疑われます。ただし、糖尿病の診断には日を分けて2回以上血糖値の測定を行うか、血液検査でHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の測定を行います。

HbA1cは過去1~2か月の平均血糖値を反映する指標です。血糖値のように採血時の食事状況に影響を受けず、長期的な血糖値の状態を評価できます。HbA1cの値が高いほど高血糖状態が持続していることを示し、6.5%以上の場合に糖尿病が疑われます。

治療

高血糖は生活習慣を改めることによって改善できる可能性があります。具体的には食生活の見直しや運動習慣を身につけることが大切です。生活習慣の改善により血糖値を正常な状態に戻すことができれば、糖尿病の予防につながります。健康診断などで血糖値が高いことが分かったら、医療機関を受診して生活指導を受けることを検討しましょう。また、糖尿病と診断された場合には、生活習慣の改善に加えて薬物療法が検討されることがあります。

食生活の見直し

1日に必要となるエネルギー量は人によって異なります。そのため、まずは自身に必要なエネルギー量の目安を知ったうえで、日々の献立を考えるようにしましょう。また、食べ過ぎや栄養素の偏った食事を避けて、1日3食を規則正しく食べることを心がけましょう。1日に必要なエネルギーは、標準体重と身体活動量に応じたエネルギー係数のかけ算から推定します。

  • 標準体重(kg)
    65歳未満:身長(m)×身長(m)×22
    65歳以上:身長(m)×身長(m)×22~25
     
  • 1日に必要な(適正)エネルギー(kcal)=標準体重×25~35*(kcal)

1日の活動量が少ない方は25、普通の方は30、多い方は35をかける

運動習慣

適度な運動は代謝を高め、インスリンのはたらきをよくすることにより、血糖値を下げる効果が期待できます。ウォーキング(速歩)などの有酸素運動を継続して行うことが効果的です。

セルフケア

高血糖は生活習慣の改善によって未然に防げる可能性があります。加齢に伴い血糖値は上がりやすくなるため、現在高血糖を指摘されたことのない方も今一度生活習慣を見直し、食事内容を改めたり運動習慣を身につけたりするように心がけましょう。

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