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【医師監修】新生児に多い肌トラブル、乳児湿疹が出たらどうする?

【医師監修】新生児に多い肌トラブル、乳児湿疹が出たらどうする?
 [医師監修] メディカルノート編集部

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「赤ちゃん肌」という言葉は、美しい肌の代名詞のように使われます。実際は乳児の肌は弱く、トラブルが起こりやすくなっています。多くの赤ちゃんが大なり小なり湿疹を経験するでしょう。「赤ちゃんの湿疹の原因は何?」「乳児湿疹は病院へ行くべき?」「赤ちゃんの肌ケアはどうすればよいの?」今回は、乳児によくみられる湿疹の種類や対処法について解説します。

乳児湿疹はいつから起きる?

生後2〜3週間ごろから起きる

乳児湿疹は、生後2~3週間頃から、赤ちゃんの顔や体の一部にみられるようになる湿疹をまとめた呼び方です。乳児湿疹は、多くの赤ちゃんが経験する皮膚トラブルです。

小さな赤ちゃんには、原因や病名を特定できない湿疹が多いため、アトピー性なのか接触性なのか、それともあせもなのかなど、正確な原因を見分けるのが難しい症状に、「乳児湿疹」という名前がつけられているのです。

生まれたばかりの赤ちゃんは、のお腹のなかでもらったホルモンの影響によって皮脂の分泌が過剰になるため、皮脂が多いことによる湿疹を起こしやすくなっています。一方、生後2~3か月を過ぎるとその皮脂の分泌が治まってくるため、今度は肌の乾燥による湿疹が増えてきます。

乳児湿疹の主な種類、原因や症状について解説

乳児の湿疹は、その原因によりさまざまな病名に分けられます。以下が、乳児が湿疹を起こしやすい主な原因、病気の種類です。

あせも

赤ちゃんは大人より汗をかきやすい上に、時期によっては室温の管理も難しいため、あせもになりやすいです。

概要

あせもは、汗が皮膚から出ていくときの出口である導管が汗やあかなどで詰まることで、外に出られなかった汗が皮膚のなかにたまり、炎症を起こしたものです。

原因

赤ちゃんは新陳代謝が激しい上に、小さな体に大人と同じ数の汗腺があるため、同じ面積あたりの汗腺の数が多く、大人よりも汗をかきやすくなっています。また、関節などに汗がたまりやすい体型をしているため、あせもが生じやすくなります。

症状

あせもになりやすいのは、頭や額、首や脇の下、背中、おむつの部分など、汗をかきやすく、たまりやすい部分です。最初は白っぽい発疹ができるだけですが、やがて炎症を起こして赤くなり、刺激を受けてヒリヒリしたりチクチクしたり、かゆくなったりします。悪化すると発疹が隆起したり大きな水疱になったりすることがあります。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、アレルギー性の皮膚炎の一種で、慢性的に続くのが特徴です。大人になっても悩んでいる人は多く、国民の1割程度がかかっているともいわれています。

概要

アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が全身または部分的に発生し、「よくなったり、悪くなったり」を繰り返す病気です。早ければ生後2~3か月頃に発症するといわれていますが、正確な診断には経過観察が必要です。そのため、月齢が低い赤ちゃんではいったん乳児湿疹と診断され、経過によってアトピー性皮膚炎といわれることもあります。

原因

アトピー性皮膚炎の原因は、体質による先天的な要因と、環境による後天的な要因が組み合わさっていると考えられています。乾燥などによってバリア機能が低下した赤ちゃんの肌に、アレルゲンなどが入り込んで、かゆみの神経に刺激を与えることで引き起こされます。

症状

体のさまざまな箇所にかゆみを伴う湿疹が慢性的に生じ、よくなったり悪くなったりを繰り返します。最初は頭や顔から始まり、次第にお腹や背中、手足などに広がっていくパターンが多くみられます。

アレルギー性接触皮膚炎

接触性皮膚炎は、皮膚に触れたものが原因で引き起こされる皮膚の炎症ですが、そのなかでも特に、アレルゲンに触れたことによる免疫反応で起きる皮膚炎が、アレルギー性接触皮膚炎と呼ばれています。

概要

アレルギー性接触皮膚炎は、アレルゲンが肌に触れることで免疫反応がアレルギーを覚え、その後、同じアレルゲン触れることで免疫反応がはたらき、かぶれを引き起こす病気です。つまり、初めて接触したときには発症しません。しかし、一度反応を起こしてしまうと、微量のアレルゲンでも症状が出てしまいます。

原因

アレルギー性接触皮膚炎の原因となるアレルゲンは、人により異なりますが、種類は無数にあります。金属や食物だけでなく、シャンプーや化粧品、薬、その他日用品など、生活のなかで触れる機会のあるあらゆるものが原因となっています。

症状

かゆみやヒリヒリ感のある炎症が、原因となる物質に触れた部分だけに集中して現れます。アレルゲンとの接触直後にかゆみが始まり、20時間くらいをかけて紅色の斑からぶつぶつへと変化します。ひどい場合は水疱になることもあります。

おむつかぶれ

おむつのなかは汗や尿で湿っていて、皮膚がふやけた状態になっています。そのため、皮膚がダメージを受けやすく、炎症が起きます。

概要

おむつかぶれは、おむつを当てている部分が炎症を起こし、ぶつぶつができたりただれたりした状態をいいます。

原因

おむつかぶれの原因は、尿や便に含まれる消化酵素です。排泄物が長時間皮膚に触れていることで、消化酵素が皮膚のたんぱく質を溶かし、炎症を起こします。

症状

炎症を起こして赤くなるのが一般的な症状ですが、悪化すると水疱ができて皮がむけ、皮膚がジクジクすることもあります。炎症はおしり全体に出ることもあれば、肛門周りや紙おむつのギャザー部分などに出ることもあります。

乳児脂漏性湿疹

脂漏性皮膚炎とは、頭皮を中心とした皮脂が多い部分にみられる湿疹です。そのなかでも生後3か月頃までの乳児にみられるものが、乳児脂漏性湿疹と呼ばれています。

概要

乳児脂漏性湿疹は、赤ちゃんの頭や眉毛などにできる、黄色っぽいかさぶた状の湿疹です。多くの赤ちゃんにみられますが、ほとんどの場合、生後3~4か月頃までに自然となくなります。

原因

生まれたばかりの赤ちゃんは、母体からもらったホルモンの影響で皮脂の分泌が過剰です。それが汚れと混ざって固まり、皮膚にこびりついてしまうのが乳児脂漏性湿疹の主な原因です。

症状

最初は黄色っぽいフケのようなものが頭皮などに付着します。放っておくと厚みを増していき、悪化すると炎症を起こしてただれることもあります。触るとベタベタしていて、黄色っぽいものがかさぶたのようになった下には、赤い湿疹ができています。

乳児湿疹を防ぐ正しいケア方法とは

赤ちゃんの肌を湿疹から守るためには、正しい自宅ケアと、受診する症状の見極めが必要です。

どんなときに病院へ行くべきか

乳児の湿疹は些細なきっかけで起こりやすく、症状が軽ければ自宅でのケアを続ければすぐに改善します。しかし、かゆみが強くて泣き続きたり、ずっと機嫌が悪かったり、正しいケアを続けてもなかなか治らない場合は病院へ行ってみてもらいましょう。

自宅でできるケア

乳児湿疹をなるべく作らない、起こってしまってもすぐ治すためには、適切な自宅ケアで赤ちゃんの肌を清潔にしてあげることが大切です。以下に、自宅ケアのポイントをまとめてみました。

お風呂

1日1回以上はお風呂で石けんを使って、全身を洗ってあげましょう。刺激の少ない石けんをよく泡立て、やさしくなでるように洗います。石けんはしっかりと洗い流すことが大切です。

衣類や寝具

衣類や寝具はこまめに洗ったり取り替えたりして、いつも清潔な状態を保っておきましょう。夏はもちろん、冬も着させすぎると汗をかきやすくなるので注意が必要です。

乾燥

肌が乾燥すると皮膚のバリア機能が低下し、湿疹が起こりやすくなります。生後3~4か月を過ぎた赤ちゃんの肌は乾燥しやすくなっているので、保湿剤を使って乾燥を防いであげましょう。