
今や国民の約2人に1人が何らかのアレルギー疾患に罹患しており、かつ国民の1割が罹患しているといわれているアトピー性皮膚炎(参考:厚生労働省 リウマチ・アレルギー対策委員会報告書:pdf)。その症状と原因について、アトピー性皮膚炎のエキスパートである東京逓信病院 副院長の江藤隆史先生にお話を伺いました。
「良くなったり・悪くなったり」を繰り返し、かゆみを伴う湿疹が全身または部分的に発生する病気です
以下に、年齢別により詳しくご説明します。
主に頭・顔などに紅斑(皮膚が赤く盛り上がること)が発生する。その症状が2か月以上続く。(※図1)
主に首回りや両手両足のひざ・ひじの内側に紅斑が発生。また、繰り返し掻き続けることにより苔癬化(たいせんか:皮膚が厚く硬くなった状態)してしまう。その状態が6か月以上続く。(※図2)
(参考記事:こどものアトピー性皮膚炎の概論「アトピー性皮膚炎の症状と原因」)
主に顔や首に、紅斑・苔癬化・痒疹(ようしん:硬いしこり)・鱗屑(りんせつ)や痂皮(かひ)(両症状ともかさぶたができ、それがはがれること)様々な皮膚症状が発生する。その状態が6か月以上続く。(※図3)
皮膚バリア(皮膚の最外層の表皮は細胞が何層も重なってできており、バリアとして機能する表層は皮脂膜、その下は角層、顆粒層によって成り立っています)の中の皮脂膜が少なく、角層に水分を保持する力が弱いので、角層が乱れてめくりあがります。ですから、角層の隙間からアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)などが入り、かゆみの神経に刺激を与えます。また、角層の隙間から水分が蒸発して乾燥することも、かゆみを引き起こす原因になります。
家族にアレルギー疾患(アトピー性皮膚炎・気管支喘息・アレルギー性鼻炎など)がある場合、皮膚のバリア機能が弱くアトピー性皮膚炎を発症する確率が高くなります。
環境中に存在するアレルゲンである、ダニ・ハウスダスト・カビ・ペットの毛などが皮膚症状を悪化させる原因にもなります。
職場が忙しすぎる・休みが取れない・睡眠不足、人間関係がうまくいかない、受験、親子関係など精神的なストレスによっても皮膚症状は悪化します。
衣類・化粧品・毛髪などの、外部の直接的な刺激が痒みを増す原因にもなります。
アトピー性皮膚炎が黄色ブドウ球菌などによって引き起こされることもあることが最近わかりました。
(参考資料:慶応義塾大学によるプレスリリース:pdf)
一般的に食物はアレルゲンになりやすいですし、乳幼児期のアトピー性皮膚炎は、食物アレルギーが関係している事が多いと思われがちですが、過剰な食事制限は好ましくありません。
一般に食物アレルギーは「蕁麻疹の反応」で、アトピー性皮膚炎は「湿疹の反応」です。湿疹性の皮膚症状が主体なら、まずしっかり外用療法を実施するべきでしょう。やみくもに食事制限を行うことは、低栄養などの悪影響を及ぼしかねません。また血液検査だけで判断するべきでもありません。蕁麻疹型の反応が主体で、全身症状も現れるようならアレルギー専門の小児科の先生に相談しましょう。
また、お子さんがアトピー性皮膚炎などにならないよう、妊娠中にアレルゲンとなりやすい食物を避けた方が良いともいわれていますが、その予防効果は明らかではないことが実証されました。お母さんや産まれてくる赤ちゃんの栄養低下にも繋がりかねないので、バランスよく食事をされてみてはいかがでしょうか。
アトピー性皮膚炎のすべての方に食物アレルギーが関係しているわけではないです
真の食物アレルギーに対しては食物制限が必要になりますが、そのようなケースは極めてまれです。それが強調されすぎて、お子さんに栄養障害が起こっている場合が多く見受けられます。先ほど「アトピー性皮膚炎の原因」でお伝えした他の原因の中で、自分がどれに当てはまるかを考え、どのように取り除くべきか対策をするほうが先決です。
ただ、アナフィラキシーショック(ごく短時間のうちに、粘膜が腫れる・じんましん・呼吸困難・意識障害など、全身にアレルギー症状が出ること)を起こす場合は深刻です。 一刻一秒を争う生死に関わることですので、この場合はアレルゲンとなる食物を完全に除去してください。
あたご皮フ科 副院長
周辺でアトピー性皮膚炎の実績がある医師
日本大学医学部附属板橋病院 皮膚科 病院准教授
血液内科、腎臓・内分泌内科、糖尿病・代謝内科、循環器内科、呼吸器内科、消化器・肝臓内科、腫瘍内科、脳神経内科、心療内科、小児科・新生児内科、精神科、皮膚科、消化器外科、心臓外科、血管外科、小児外科、呼吸器外科、乳腺・内分泌外科、形成外科、脳神経外科、整形外科、リハビリテーション科、産婦人科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、眼科、放射線診断科、放射線治療科、疼痛緩和外科、麻酔科、歯科口腔外科、病理診断科、臨床検査科、救急科
東京都板橋区大谷口上町30-1
東武東上線「中板橋」バス・タクシー乗り場なし 徒歩20分、東京メトロ有楽町線「千川」国際興業バス 日大病院行 バス10分
山王病院 皮膚科部長
内科、アレルギー科、血液内科、リウマチ科、心療内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科
東京都港区赤坂8丁目10-16
東京メトロ銀座線「青山一丁目」4番(南)出口 徒歩4分、東京メトロ千代田線「乃木坂」3番出口 徒歩4分
稲田堤ひふ科クリニック
内科、血液内科、リウマチ科、外科、精神科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、胸部外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、漢方内科、肛門外科、血管外科、総合診療科、病理診断科
東京都世田谷区瀬田4丁目8-1
東急田園都市線「二子玉川」東急バス:玉30系統 二子玉川駅~玉川病院~二子玉川駅循環 玉川病院下車 徒歩1分 車10分
医療法人社団ウェルエイジング・医療法人翠奏会・医療法人リアルエイジ静哉会 総院長、東京女子医科大学 名誉教授、東京薬科大学 客員教授、Dクリニックグループ 代表
皮膚科、泌尿器科
東京都千代田区丸の内1丁目11-1 パシフィックセンチュリープレイス丸の内10F
JR山手線「東京」八重洲南口 JR京浜東北線・中央線・総武線・京葉線、東京メトロ丸ノ内線も乗り入れ 徒歩3分
帝京大学医学部附属病院 皮膚科 准教授
内科、アレルギー科、血液内科、リウマチ科、外科、精神科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、ペインクリニック科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、腫瘍内科、感染症内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、膠原病内科、脳神経内科、肝胆膵外科、内分泌外科、総合診療科、病理診断科
東京都板橋区加賀2丁目11-1
JR埼京線「十条」北口 国際興業バス:帝京大学病院正面経由、赤羽駅西口駅行き 帝京大学病院正面下車 徒歩10分、都営三田線「板橋本町」A1番出口 徒歩13分、宇都宮線「赤羽」西口 国際興業バス 帝京大学病院正面経由、王子駅行き 帝京大学病院正面下車 バス、JR埼京線「板橋」西口 国際興業バス 帝京大学病院経由、王子駅行き 帝京大学病院下車 バス
関連の医療相談が10件あります
手湿疹ですが、痒みと痛みがともなっています。
体が温かくなると痒くなり、身体が冷えたり乾燥していると痛み出します。寝ている時にかきむしっているみたいで(無意識です)一向に良くなりません。皮膚科に通って飲み薬と塗り薬ももらいましたが、使ってはいますが完全には治りません。かきむしっている所はかき餅の表面みたいにひび割れて、つゆが出てきたりしてます。
IgEについて
血液検査をしたらIgeが558ありました。基準上限値が250なのでかなり高いと思います。 自覚症状等特にありません。これが高いとなにか不具合がでるのでしょうか
慢性的な皮膚炎
子供時代からアレルギー性鼻炎持ちで、皮膚炎も併発していました。20代も、季節の変わり目には荒れてしまうなどあったのですが、30代になって以降、より皮膚が赤く爛れるような状態になってしまう機会が増えました。ステロイド剤に頼るのではなく、根本的な治療を行いたいと思い、医者を変えて、内服薬など試しているものの、まだベストアンサーにたどり着けていません。これは仕方ない状態であって、根気強く、さまざま試して見るしかないのでしょうか?
身体全体が痒いです。
去年から、頭から足先まで痒くてたまりません。色々、塗り薬や液体薬など試したんですが一向に良くなりません。皮膚科でも色々薬を出されたんですが効果が無いのです。 最近はシャワーを浴びるだけでも身体が染みてしまって悩んでます。 乾燥肌でもないんですが原因がわからず困っています。
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「アトピー性皮膚炎」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。