アトピー性皮膚炎は、短期間で完全に治癒する病気ではありません。しかし、正しい治療を行うことで症状を軽快させ、きれいな皮膚を保つことができます。
逆に、適切な治療が行われなければ、バリア機能が低下した皮膚からさらに様々な物質が侵入します。これらの物質は、皮下に存在する免疫細胞から「アレルゲン」と呼ばれる異物と認識されるようになります。体がアレルゲン反応した結果、全身に炎症が生じて食物アレルギーや気管支喘息、アレルギー性鼻炎などの症状が起きることがあります。乳幼児でアトピー性皮膚炎を発症したお子さんは、その後、これらのアレルギー疾患になりやすいことが分かっています。
アトピー性皮膚炎は、重大な合併症を発症することがあります。たとえば、顔(特に目の周囲)の皮膚症状が強い場合には、白内障や網膜剥離を来すことがあります。その他、強いかゆみによって睡眠障害が起こると、夜間の成長ホルモンの分泌が低下して成長障害を来したり、集中力の低下から学習障害につながったりします。
アトピー性皮膚炎の治療は、「薬物療法・スキンケア・悪化要因の対策」の3つが基本となります。ここではまず「薬物療法」について、そして次の記事「アトピー性皮膚炎とともに生きる―日常生活のポイント」で「スキンケア・悪化要因の対策」についてご説明します。
ステロイドは「副腎」という臓器で作られるホルモンで、私たちの身体にとって必要不可欠なものです。このステロイドの働きのひとつに、炎症を抑えるという効果があります。これを利用した薬が「ステロイド外用薬」です。ステロイドと聞くと怖い副作用(成長障害が起こる、感染しやすくなる、顔の周りに脂肪がつく満月様顔貌、糖尿病など)を心配される方も多いと思いますが、このような症状が起こるのは内服薬を長期間使用した場合であり、外用薬の場合ではありません。
適切な使用方法を守らずに強いステロイド外用薬を長期間使用し続けると皮膚が薄くなっていきますが、使用を中止すれば元の状態に戻ります。また、皮膚に感染が起こりやすくなることも知られていますが、感染が起きた場合は抗菌薬や抗真菌薬を含む外用薬を塗布することで治療できます。
ステロイド外用薬の強さには段階があり、年齢や塗る場所、皮膚の重症度によって適切なものを選択します。使用方法は様々ですが、一般的に顔など皮膚の薄い所には弱めのステロイドを、手足などには比較的強めのものを使います。
湿疹が残っているうちはステロイドをしっかり使って皮膚をつるつるの状態にします。その後、皮膚が薄くなるという副作用を避けるために、1~2日おきに塗るなど、ステロイドを使用する間隔をあけていきます。最終的にステロイドを使わず保湿剤のみで、きれいな皮膚を維持できることを目指します。
「免疫抑制外用薬」である「タクロリムス水和物軟膏」にもステロイドと同じように、皮膚の炎症を抑えて症状を改善させる効果があります。
ステロイド外用薬のように皮膚が薄くなるという副作用がないため、顔などに多く使われます。比較的新しい薬ですが、2歳以上の小児であれば安全に使用できることが分かってきました。
免疫抑制剤であるため、塗布している場所の毛穴に細菌が感染する毛のう炎や、ヘルペスウイルスによる皮膚の感染が起きる可能性があります。しかし、使用法を守れば,全身の免疫を抑制することは少なく,重症な感染症にかかりやすくなるということはありません。
抗ヒスタミン薬の内服は、皮膚のかゆみを抑える効果があります。眠くなりやすいという特徴があるため、就寝前に内服すれば、かゆみによる睡眠障害に対しても効果的です。
ただし、ヒスタミンは皮膚のかゆみの原因となる物質の一つにすぎないため、抗ヒスタミン薬内服では十分にかゆみが抑えられない場合もあります。
国立成育医療研究センター 教育センター センター長/臨床研究センター 副センター長/臨床研究教育部長(併任)/血液内科診療部長(併任)
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アトピーの悪化
もうすぐ4歳になる息子は1歳くらいからアトピー性皮膚炎と診断され、ステロイドを用いた治療を行ってきました。症状としては、足の甲や膝や肘、背中やお腹が赤く炎症していました。ステロイドを塗ると良くなって、またしばらく経過すると悪くなってを繰り返してきましたが、これまで薬が効かなかったことはあまりありませんでした。 しかし、数週間前よりぶつぶつの発疹が足の甲や手のひら手の甲に見られるようになり、ステロイドを塗っても全く良くなりません。ぶつぶつはどんどん増え、足の甲や手の甲はぶつぶつだらけです。ふくらはぎや腕にも少しぶつぶつが増えてきています。 これまで見てきたアトピーの症状と違うし、薬も効かないため、他の病気も疑ってしまいます。 アレルギー検査は数年前に実施し、ハウスダストとダニでマックスの数値が出ました。 どうにかして改善したいと考えています。どうかアドバイスお願いいたします。
見知らぬ人の排泄物、血液を含む体液に触れたものに汚染された際の感染予防について
拙宅に清掃業者が入り、トイレを清掃した際のことです。 素手を便器内の水が溜まった奥に突っ込み、どこで使用したのか分からないブラシで洗剤を使わず洗い出しました。 その後、ブラシをトイレの床に直接置き、手も洗わずにリモコンを触り、水を流しました。そして、ブラシで濡れた床・便座便器をご自身のタオルで拭い、最後まで手を洗うことなくあちこちに触れて帰りました。 トイレ内、トイレ・玄関のドアノブなどその方が触れたところはできる限りの清掃をしました。泡ハイターや消毒用アルコールで拭き、アイロンの蒸気を当てたり、熱湯をかけたりした箇所もあります。 ですが、一か月経った今でも不安でたまりません。 二歳の幼児がおり、特にこれからトイレトレーニングを始めるところです。 便座便器、床や壁のあちこちを触ってしまいますし、その手で目や口を触ってしまうことを防ぎきれないと思います。 また、アトピー性皮膚炎ぎみでいつも掻いており、手足には小さい傷が絶えません。 その方が触れたところ全てを清掃しきれたのかも疑問です。 このような状態で子供が何かに感染することがあるのではという心配は杞憂でしょうか? 肝炎は? HPVは? 他には? 環境表面でどのくらい感染力があるのか? どのように消毒すればいいのか? 清掃時に着用していた服やトイレなど汚染されたと思われる個所に触れた服は洗濯機で通常通りに洗うだけで良いか(現在熱湯ににつけたのち洗濯しております)、などなど。 色々調べても素人では限界があり、余計に不安が募ってしまい、正直ノイローゼ気味の為、ぜひ知識のある方にご相談したいと思った次第です。 ようやく授かった子のせいか極端に神経質になっているのは承知しております。ただ、私の無知で何かあってはと思うとじっとしてはおれません。 ご見解、ご指導、ご自身のご自宅ならどうするかなど賜りたく、何卒宜しくお願い申し上げます。
赤ちゃんの湿疹について教えてください
生後2ヶ月になったばかりの赤ちゃんの湿疹について教えて下さい。 1ヶ月検診の頃から湿疹ができ始め、現在に至ります。その間良くなったりひどくなったりを繰り返しています。 特に首元、耳の後ろはジュクジュクになりがちです。最近では脇もジュクジュクすることもあります。黄色い液みたいなものが洋服につきます。 赤ちゃんもかゆいのか、最近では抱っこの時に大人の洋服に顔を擦りつけるような仕草もあります。 現在見てもらっている小児科で早く治してあげたいからステロイドなどは使わないのか聞いたところ特に必要ないとの事でした。 知りあいの赤ちゃんはステロイドを処方してもらい2、3日で湿疹がひいたらしく、1ヶ月も良くなったり悪くなったりを繰り返している我が子が可哀想だなと思ってしまっています。 今はアズノールとジュクジュクにはバラマイシンが処方されています。 質問は下記です。 1.一般的にはこの時期の赤ちゃんの湿疹ではステロイドなどはつかわないものなのでしょうか。 2.湿疹を繰り返し、皮膚もただれた感じになっています。時期が来れば落ち着いて来るのでしょうか? 3.赤ちゃんや乳幼児はこうした湿疹を繰り返すものですか? 実は私の例なのですが、外陰部が中学生の頃から痒くどの産婦人科に行ってもカンジダだと言われ続け、毎月痒みを繰り返していました。 ですが、去年妊娠をきにお世話になった病院でこれはカンジダではないと言われリンデロンVgクリームを処方してもらったところ全く再発しなくなりました。 この経験から、赤ちゃんの湿疹も正しく治療すれば繰り返さないのではと思い若干今の小児科に信頼をおけずにいます。かといって小児科をはしごするのもこの時期どうなのかと思い、質問させていただきました。ご意見頂けますと幸いです。よろしくお願いします。
乳児湿疹について教えてください
乳児湿疹とアトピーのちがいについておしえてください。 生後1ヶ月(もうすぐ2ヶ月)の息子ですが、湿疹がなかなか治りません。 お風呂で清潔を心がけて少し良くなったのですが、泣いたり汗をかいたりするとすぐに湿疹ができてしまいます。 最初は顔だけだったのですが、だんだん下降して体と手に湿疹ができ始めました。 特に首と耳の後ろは酷く、じゅくじゅくしていた為小児科でバラマイシンを出してもらいました。その後少し良くなりましたが、特に首は湿疹がそこそこ多い状態です。 そのほかの箇所はアズノールを使用しています。 質問は下記です。 1.良くなったりぶり返したりを繰り返していますが、おちつくものでしょうか? もしくはすでにアトピーでしょうか? 2.このままアトピーになってしまうこともあるでしょうか?対策やケア方法があればおしえてください。 3.ステロイドはなをんとなく怖いイメチェンなのですが。な処方してもらった方がよいのでしょうか? ちなみに、私は肌は強くはありませんがアレルギー体質ではありません。 主人は、猫アレルギー、鼻炎、花粉症、喘息(幼少期)、アトピー(幼少期)です。 ご意見よろしくお願いします。
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