百日咳は、細菌である「百日咳菌」が主な原因となる呼吸器感染症です。その名の通り長引く咳が特徴です。子どもに多く見られるため、小児に特有の病気というイメージがあります。しかし、成人での発症が増加しており、小児への感染源となることが大きな問題となっています。
周囲で流行していると、うつりやすくなります。厄介なのは、初期の症状が「風邪」に近いため、本人も感染したことに気づかないで周囲に拡げてしまいやすいことです。百日咳の感染経路は咳やくしゃみのしぶき(飛沫:ひまつ)を介しての感染が多いです。
特に、生まれて間もない新生児が発症すると非常に重くなる恐れがあり、死に至ることもあります。
生後3か月から学童期の患者さんに見られる典型的な症状を見ていきましょう。百日咳菌に感染してから症状が出現するまでの潜伏期間は約10日間といわれています。その後の症状は以下のように、1. カタル期、2. 痙咳(けいがい)期、3. 回復期の3つの期間に分けられます。
最初の症状は咳や鼻水など、いわゆる「風邪」の症状です。熱は微熱か、出ない場合が大半です。
その後、百日咳に特徴的な咳発作が、次第に見られるようになります。短い咳が連続的に起こり、続いて息を吸う際にヒューという笛のような音が出る発作が繰り返されます。
発作がない時には無症状ですが、呼吸時に気管への刺激があった時はもちろん、これといった刺激がなくとも、発作が起きるようになります。激しい咳のために体力は消耗しやすく、咳き込んで吐いたり、顔の赤みやむくみが出ることもあります。
やがて咳発作は少なくなっていきますが、完全に発作がなくなるまでに数か月かかるることもあります。
新生児から生後3か月までの乳児の場合、百日咳に特徴的な咳は見られず、息を止めてしまう「無呼吸」やチアノーゼといった症状を来します。また、痙攣や脳症が起こり、重篤な場合には死に至ることもあります。
一方、成人でも典型的な咳を認めることは少ないため、「かぜ」との区別が難しく、周囲に感染が拡大してしまう恐れがあります。
診断には症状や周囲の流行状況が手がかりとなります。血液検査で喉や鼻の分泌物から培養して百日咳菌の菌体や遺伝子を検出したり、毒素に対する「抗体」と呼ばれる免疫物質を検出すれば、よりはっきりと百日咳と診断することが可能になります。
しかし、抗菌薬を早期に使用することで感染力を抑え、症状を軽減することが可能となります。また、症状に合わせた水分・栄養補給も重要です。免疫力のない人が、もし百日咳患者と密接に接触した場合には予防的に抗菌薬を内服することが勧められています。
予防接種の導入により、小児の百日咳患者数および死亡患者数は大きく減少しました。
百日咳はジフテリア・不活化ポリ・百日咳・破傷風オの4種混合(DPT-IPV)ワクチンとして、国が受けることを強く勧める「定期接種」に入っています。予防接種の対象は生後3~90か月となっています。しかし、生まれて間もない時期に百日咳にかかった場合に、重症化しやすいことを考慮すると、生後3か月など、できるだけ早期に接種することが望ましいです。
驚くべきことにこれらの患者さんの多くは幼少期に予防接種を済ませています。予防接種を受けてから時間がたつと、百日咳にかかる可能性があるということです。
海外では思春期以降に百日咳ワクチンの追加接種を導入している国もあります。そのような制度のない日本では、残念ながら学童期以降の発症を完全には防ぎきれないのが現状です。増加する学童期以降の患者さんから重症化しやすい乳幼児への感染を防ぐためには、生後3か月からの乳児期早期に定期接種を徹底することに尽きるといえるでしょう。
国立成育医療研究センター 教育センター センター長/臨床研究センター 副センター長/臨床研究教育部長(併任)/血液内科診療部長(併任)
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咳が辛そうで心配です。
8か月の息子の件です。風邪だと思って様子をみていたら、変な咳をしだしたので私のかかりつけの内科に連れて行きました。喘息様気管支炎とか言われて吸入に数日通い、薬も飲んだり、背中に貼るテープをもらいました。でも全然咳が良くならずに熱も高くなってきて、かすれたような変な咳に代わってきて、席をすると顔が真っ赤になってしまうので、小児科に診てもらいました。検査はできないそうなんですが、百日咳だろうと言われました。薬も新しく出してもらったのですが、夜になると顔を真っ赤にして咳をして、死んじゃいそうです。心配で心配でなりません。心配なので相談してみました。
百日咳とは
子供が春頃から、鼻水などや、風邪などよく繰り返しているのですが、その度に小児科、耳鼻科と通院し、お薬をもらいながら経過見ているのですが、 なかなか咳がすっきりと治りません。 ずっとひどいわけではないのですが、 確かに鼻水が増えた時や、熱が出た後は咳が強くなります。もちろんそれは通常として理解しているのですが、 何ヶ月も弱い咳が基本的にはあり、たまに強弱があるという経過です。 小児科でも元々アレルギー鼻炎気味ではあり、現在は気管支喘息のお薬ももらっています。 ふと、百日咳があたまをよぎったのですが、百日咳だと、ずっと症状が続きますか? 最初何週間か咳が強くなるとみたことあります。 ですが、うちの子供は最初の1週間が強く出て、そのあとは頻度は減ります。 父親も一度風邪をひくと毎回咳が長引き、呼吸器内科もかかっていますが、特に百日咳の指摘もなく検査もないようです。
体重増加と排便について
1ヶ月半前から体重の増えが悪く、600g程しか増えておらず、授乳回数を5回→7回に増やし、毎回足すミルクも50mlから70ml増やした所、排便が2〜3日に1回だったのが、毎日6回排便するようになりました。それでも体重が思ったほど増えませんが、排便回数が多いうちは増えないのか聞きたいです。 あと5日ほど前から便に出血がたまに混じるが、医者によるとそれは問題ないとの診断です。排便が多いと血も出やすい等ありますでしょうか。
排便時、血がつく
便が硬い時、トイレットペーパーに血がつくことがあります。 数日前に1回目拭いてつき、2回目はつかないこともあった為、これは血なのか?と思っていたのですが、本日2日ぶりに排便し、拭いた際に血がついていたので相談させていただきました。 毎回そうなのですが、子供は凄く力んで排便します。昔からそうです。 切れ痔なのかな?と思い本人に聞いても痛くないと言っているのですが、もし病院で診察してもらうなら小児科でいいのでしょうか?
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