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ジフテリア
ジフテリアとは、ジフテリア菌という細菌が鼻やのどの粘膜に感染して発症する感染症です。主な症状はのどの痛み、発熱、首のリンパ節の腫れ、倦怠感で、のどの奥に灰色の厚い膜ができ、空気の通り道が狭くなっ...
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ジフテリアじふてりあ

更新日時: 2017年04月25日【更新履歴
更新履歴
2017年04月25日
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概要

ジフテリアとは、ジフテリア菌という細菌が鼻やのどの粘膜に感染して発症する感染症です。主な症状はのどの痛み、発熱、首のリンパ節の腫れ、倦怠感で、のどの奥に灰色の厚い膜ができ、空気の通り道が狭くなって息が苦しくなります。

さらに病気が進行すると心臓や腎臓、神経にも影響が出るため、治療を受けていてもおよそ100人に10人が亡くなるといわれています。特に5歳以下や40歳以上の免疫力が弱い年齢の方では100人に20人もの人が亡くなるともいわれています。

ジフテリアに対する予防接種が功を奏した結果、日本における発症状況は激減しており、2018年1月までの集計によると1999年以降発生例はないと報告されています。全世界でも予防接種の効果は認められていますがその一方でいまだ流行する地域もみられます。一度発症すると死亡率が高い病気であることから、ワクチンによる予防対策がとても大切です一般に10%程度の方が亡くなってしまうといわれています。

原因

ジフテリア菌を有する人が咳やくしゃみをすると、そのなかにジフテリア菌が混入し、それを他人が吸い込むことで感染が拡大します(飛沫感染)。その他、ジフテリア菌が付着したドアノブやタオルなどを介して感染が拡大することもあります(接触感染)。

ジフテリア菌は毒素を産生し、組織障害を起こします。のどの組織が障害を受けると、偽膜(ぎまく)と呼ばれる細胞が死んだ塊が生じます。毒素がはたらくことでジフテリア特有の症状が引き起こされますが、毒素を産生しないジフテリア菌であってもジフテリア症状を生じることがあることも知られています。

症状

ジフテリア菌に感染すると、2〜5日ほどの潜伏期間を経てジフテリアが発症します。発症すると鼻水や発熱、倦怠感などの感冒様症状が出現します。より特徴的な症状としては、偽膜形成です。これに伴い咽頭痛が生じ、食事の摂取量も落ちます。また偽膜はのどに形成されるのみに留まらず、さらに下気道にまで広がり、嗄声(させい)(かすれ声)・犬吠様咳嗽(けんばいようがいそう)(犬が吠えるような咳)や呼吸困難といった症状を生じることがあります。気道閉塞から死に至ることもあります。

ジフテリアでは気道系に関連した症状以外に、心臓や神経に対しての症状が出現することもあります。ジフテリア菌が産みだす毒素が血液の流れに乗って心臓まで運ばれ、心臓の筋肉に炎症を起こす心筋炎を引き起こすことがあります。重症の場合は心臓の動きが弱くなるため、血液を全身に送り出すことができなくなり、心不全や突然死につながることがあります。

さらにジフテリア菌の毒素は神経にも影響します。のどの神経が障害された場合は飲み込む力が弱くなります。また手足の神経に影響すると筋力が低下します。呼吸に携わる筋肉が障害されると「呼吸筋まひ」と呼ばれる状態となり、息をすることができなくなります。

検査・診断

ジフテリアは咽頭や扁桃などに偽膜形成をするため、これらの部位から拭い取られた検体を用いて検査が試みられます。ジフテリア菌は細菌の一種であり、グラム染色と呼ばれる方法が行われることがあります。グラム染色とは、拭い取られた検体を用いて細菌に対して色づけをし、それを顕微鏡で観察する方法です。特徴的な臨床症状とグラム染色を組み合わせることで、その日のうちのジフテリアを疑うことも可能です。

グラム染色は簡易検査であり、ジフテリアの確定診断には実際にジフテリア菌を分離することが必要です。培地を用いてジフテリア菌が増殖しないかどうかを観察しますが、結果が判明するまでに数日必要とします。その他ジフテリア毒素に関連した遺伝子を、PCR法と呼ばれる方法で検出する方法もあります。

治療

ジフテリアを発症した場合の治療は、「抗毒素療法」と「抗菌剤」の2つがあります。

抗毒素療法では、ジフテリア菌の毒素を緩和させる薬を筋肉や静脈に注射する抗毒素療法がまず検討されます。抗毒素療法では、ヒト以外の動物を用いて作成された「血清」が用いられます。ヒトにとって完全な異物を体内に摂取することになるため、アナフィラキシーショックなどの強烈なアレルギー反応が出現する可能性があります。

またジフテリア菌を駆逐するために抗菌剤を数日間使用します。治療のためには入院が必要となることが多いです。ジフテリア菌はワクチンを受けていない方には簡単に感染してしまうので、隔離される場合もあります。

予防

ジフテリアを一度発症すると、積極的な治療を行っても死亡率が高いです。そのためワクチンによる予防接種がとても大切です。現在(2018年)の日本においては乳児期からの定期接種が導入されており、予防接種を行うことが強く推奨されています。しかし、ジフテリアワクチンは時間とともに効果が薄れていきます。免疫を保つためにはワクチンの追加接種で免疫力を活性化する「ブースター効果」を用いることが必要です。12歳前後に1回、以降は10年ごとに1回ずつ接種することが望ましいといえます。特に、ジフテリア流行地に旅行する場合は接種が推奨されています。

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