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アナフィラキシーショック

最終更新日:
2020年10月21日
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2020/10/21
更新しました
2018/07/26
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概要

アナフィラキシーショックとは、何かしらのアレルゲンなどに対して全身性のアレルギー反応が引き起こされ、血圧の低下や意識状態の悪化が出現した状態を指します。

アナフィラキシーショックが生じた際には、迅速な治療が必要です。また、一度アナフィラキシーショックを起こしたことがある方は、再度同じ原因物質に曝露されることで同じように非常に重い症状を起こします。

原因

アナフィラキシーショックは、ハチの毒や、ある種の薬剤、食物など、アレルギーを起こす物質に体が曝露されることで発症します。アレルギー反応を起こす可能性がある代表的な物質として、下記があげられます。

薬剤

  • 抗菌薬
  • 解熱鎮痛薬
  • 麻酔薬
  • 造影剤
  • 血液製剤

など

食物

  • 鶏卵
  • 牛乳
  • 小麦
  • ピーナッツ
  • そば
  • 甲殻類
  • ナッツ
  • ゴマ

など

症状

アナフィラキシーショックを起こすと、全身各所にさまざまな症状が現れます。全身にじんましんが生じたり、咳や喘鳴(ぜんめい)が生じたりします。喉頭粘膜が腫れ空気の通りが悪くなることから、呼吸困難による窒息が生じることもあります。消化器症状として、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛が生じることもあります。

さらに、全身の血圧や意識状態も低下し、短時間のうちに死に至ることもあります。

原因となる物質に曝露されてからアナフィラキシーショックに至るまでの時間は、原因物質によって異なります。注射薬やハチ毒によるアナフィラキシーショックの経過は特に早い傾向があり、原因薬剤を注射されたり蜂に刺されたりしてから数分の経過で心停止に至ることもあります。

検査・診断

アナフィラキシーショックが疑われる際には、意識、呼吸、血圧を迅速に評価します。また、血液中の酸素濃度も測定します。病歴や症状からアナフィラキシーショックが強く疑われる場合には、迅速に治療を行います。また、そもそもアナフィラキシーショックであることの診断が難しいという側面から、疑った段階で治療を開始することも重要です。

症状が安定した後は原因となった物質を特定するため、血液検査や皮膚プリックテストといった検査を行います。また、原因を確定させるためには、実際に疑われる物質を再度曝露させる試験(負荷試験)が必要なこともあります。しかし、負荷試験を行うことでアナフィラキシーショックが誘発される危険性があるため、設備の整った医療機関で検査を行うことが求められます。

治療

アナフィラキシーショックが生じた際には、迅速な治療が必要です。アドレナリンの筋肉注射や酸素投与、適切な輸液が行われます。症状によっては気管支吸入薬、ヒスタミンH1受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)や副腎皮質ステロイド薬などの投与を行います。前述のように、アナフィラキシーショックの診断が難しい場合もあるため、少しでも疑いがある場合には、治療を開始することが必要です。

一度アナフィラキシーショックを起こした方は、再度、同じ原因物質に曝露されることで同じような非常に重い症状を起こします。そのため、不測の事態に備えて、あらかじめアドレナリン自己注射薬が必要です。この注射薬を常備することで、症状が現れた際に緊急対応が可能となり、アナフィラキシーを回避できます。

アナフィラキシーが生じる場所は、家庭や学校、職場などであることも想定されます。そのため、原因物質を避けるような対応策や、実際にアナフィラキシーショックが生じた際の注射薬の使用方法を含めた緊急時の対処法などを、学校や職場などと相談しておくことも重要です。

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