治療
アナフィラキシーショックが生じた際には、迅速な治療が必要です。アドレナリンの筋肉注射や酸素投与、適切な輸液が行われます。症状によっては気管支吸入薬、ヒスタミンH1受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)や副腎皮質ステロイド薬などの投与を行います。前述のように、アナフィラキシーショックの診断が難しい場合もあるため、少しでも疑いがある場合には、治療を開始することが必要です。
一度アナフィラキシーショックを起こした方は、再度、同じ原因物質に曝露されることで同じような非常に重い症状を起こします。そのため、不測の事態に備えて、あらかじめアドレナリン自己注射薬が必要です。この注射薬を常備することで、症状が現れた際に緊急対応が可能となり、アナフィラキシーを回避できます。
アナフィラキシーが生じる場所は、家庭や学校、職場などであることも想定されます。そのため、原因物質を避けるような対応策や、実際にアナフィラキシーショックが生じた際の注射薬の使用方法を含めた緊急時の対処法などを、学校や職場などと相談しておくことも重要です。
医師の方へ
Medical Note Expertでしか読めない、学会や医局の最新医療知見を得ることができます。
【第51回日本皮膚免疫アレルギー学会レポート】果物や野菜によるアナフィラキシーのメカニズムと見分け方(4000字)
昨今、アレルギーは小児だけではなく、学童期や青年期でも新規の発症が多くみられる。新しいアレルゲンも含め、原因物質やメカニズムの迅速な同定が臨床現場で必要とされている。猪又 直子氏(昭和大学医学部皮膚科学講座 主任教授/昭和大学病院 皮膚科 診療科長)は、第51回日本皮膚免疫アレルギー学会総会学術大会
【第51回日本皮膚免疫アレルギー学会レポート】食品・薬剤添加物アナフィラキシー 見逃さないポイントを事例とともに紹介(5000字)
食品添加物や薬剤添加物によるアナフィラキシーでは、アレルゲンを正しく鑑別するのが難しいケースがある。基本的なテストでは判定できないこともあり、工夫が必要だ。神戸市立西神戸医療センター 皮膚科 部長代行の鷲尾 健氏は、第51回日本皮膚免疫アレルギー学会総会学術大会(2021年11月26~28日)で行わ
「アナフィラキシーショック」を登録すると、新着の情報をお知らせします