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アナフィラキシー

目次

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概要

アナフィラキシーとは、アレルゲン(アレルギーを起こす原因となる物質)などに対して生じる全身性のアレルギー反応を指します。

アナフィラキシーを起こすと、蕁麻疹(じんましん)喘鳴(ぜんめい)(ぜいぜいすること)などの症状が生じ、重篤になることもあります。

また、血圧低下や意識障害などを起こすことを、アナフィラキシーショックと言います。

症状が現れるまでの時間は、アレルゲンや患者さんの体質・体調により差がありますが、重篤な状態となることもあるため迅速な医療介入が必要です。

原因

多くの場合、アナフィラキシーの原因は食べ物・虫刺され・薬物のいずれかで、急性のアレルギー反応です。

食べ物の場合、

  • 鶏卵
  • 牛乳
  • 小麦
  • ピーナッツ
  • そば
  • 甲殻類
  • ナッツ

など多岐に渡ります。日本では鶏卵や乳製品、小麦などが原因となることが多いです。

また虫刺されでは蜂の毒が有名ですが、アリなどに咬まれることで生じることもあります。薬物であれば抗菌薬や鎮痛薬を中心に、あらゆる薬剤が原因となりえます。

アナフィラキシーの重症度や症状の現れやすさは、患者さんの病状や体調によって変わります。また、風邪で体力を消耗しているときやお風呂上がり、運動中~直後など、生理的変化が起こりやすいときに強い症状が出ることがあります。

症状

原因となるアレルゲンと接触して数分から数十分ほど経過すると、アナフィラキシーの症状が現れはじめます。特徴は、全身の複数の臓器にアレルギー症状が起こる点です。具体的には以下のような症状が挙げられます。

  • 皮膚症状:蕁麻疹
  • 呼吸器系の症状:咳・鼻水・くしゃみ
  • 消化器系の症状:吐き気や下痢、腹痛

など

重篤な症状としては明らかな喘鳴や呼吸困難などの呼吸器症状があり、さらに血圧低下からの意識障害が出現し、心停止に至ることもあります。

こうしたアナフィラキシー症状は、二相性反応といって、一旦症状が改善してしばらくしてからアナフィラキシー症状が再び出現・悪化することがあるので注意が必要です。

検査・診断

アナフィラキシーの診断では、原因となっているアレルゲンを病歴聴取から明らかにすることが重要です。具体的には、食べ物を摂取してからの時間関係を確認することや、虫に刺されたなどの状況を確認することになります。

アナフィラキシーを引き起こしている原因物質を特定できない場合、補助的な検査として血液検査やプリックテストが行われることがあります。

  • 血液検査:特異的IgEを測定し、特定の物質に対してアレルギーを起こしているかどうかの可能性が推測できます。
  • プリックテスト:アレルギーが疑われる物質を皮膚に滴下してその部位の皮膚を刺激し、反応の有無をみる検査です。陽性反応があると皮膚が赤くなったり、膨らんできたりします。

血液検査もプリックテストもあくまでも補助的な検査方法であり、確定診断を行うものではありません。

アナフィラキシーの原因アレルゲンを確定するためには、実際に原因物質を負荷することになります。しかし再びアナフィラキシーが誘発される可能性があるので、試験は必ず医療機関で行うことが重要です。

治療

アナフィラキシーが発症した際には、分単位で症状が悪化する可能性を念頭に置いた対応が必要になります。

治療薬としてはアドレナリンの筋肉注射が中心になりますが、使用は重症度を判定しながら検討します。たとえば、アナフィラキシーショック(血圧低下、意識障害、チアノーゼなど)重篤な呼吸器症状(喘鳴や呼吸困難など)を呈する場合には使用されます。

その他、ヒスタミンH1受容体拮抗薬や気管支拡張薬などの薬剤も皮膚症状や呼吸器症状に対して使用されることがありますが、効果は限定的なので、アドレナリン投与の遅れにつながらないように注意します。

アナフィラキシーは医療機関へのアクセスが限られた状況で発症することもありますし、何より症状が急速に進行することも懸念されます。

そのためアナフィラキシーの既往のある方などに対して、自分自身もしくは近くにいる方が対応できるようにアドレナリン自己注射薬が処方されることがあります。医療機関外でアナフィラキシー症状が出現した際には、この注射薬を使用しながら医療機関への受診を検討します。