こきゅうきかんせんしょう

呼吸器感染症

最終更新日
2018年09月28日
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2018/09/28
掲載しました。

概要

呼吸器感染症とは、鼻やのど、気管支や肺など、空気の通り道に関連した臓器に生じる感染症を指します。

風邪やインフルエンザといった身近な病気だけではなく、結核なども呼吸器感染症に含まれます。

どの年齢層の誰にでも発症し得る病気であり、重症度も軽症から重症までさまざまであることから、病気の原因や重症度に合わせて治療を行なうことが重要となります。

原因

呼吸器感染症は、ウイルスや細菌、真菌など多くの病原体が原因となることが知られています。

呼吸器感染症の中でも、もっともありふれたものは、ライノウイルスやコロナウイルス、パラインフルエンザウイルスなどが原因で起こる風邪です。飛沫感染*1や接触感染*2によって、これらのウイルスが感染することにより発症します。

風邪を引き起こすウイルスの中でも、飛沫感染により感染が成立するRSウイルスは、乳児(特に心臓や肺に持病を持っている場合、早産児の場合など)に感染すると、重症化するリスクが高まることが知られています。

また、肺炎球菌やマイコプラズマ、黄色ブドウ球菌、レジオネラ、クラミジアなどの病原体や、結核、真菌(アスペルギルスやカンジダなど)などが原因となって下気道感染、とくに肺炎をきたすこともあります。

*1飛沫感染とは、感染者の咳やくしゃみなどに含まれる病原体が、鼻や口から入り込むことで成立する感染です。

*2接触感染とは、感染者を直接触ったり、病原体が付着したものを触ったりした手で自分の口や鼻に触れることを介して発生する感染です。

症状

風邪などの上気道感染症では、鼻水や鼻詰まり、喉の痛み、喉の痛みによる飲み込みにくさなどの症状が現れます。

また、身体の奥に位置する気管支や肺に発生する気管支炎肺炎では、咳や痰、息苦しさなどの症状が現れます。病変が進行すると、呼吸障害が強くなることも懸念されます。

さらに、上記のような気道に関する症状以外にも、全身症状がみられることがあります。具体的には、発熱や倦怠感、筋肉痛、関節の痛み、食欲の低下などの症状が挙げられます。

呼吸器感染症の原因はさまざまであり、症状の進行の仕方も多様です。また、同じ病原体が原因となっている場合でも、重症度が異なることも多いです。

一般的に、免疫力が弱いお子さんやお年寄りでは、症状が重篤化する危険性が高まります。

検査・診断

呼吸器感染症では、病状に応じて検査を行なうか判断します。たとえば、症状と症候から風邪が疑われる場合には特別な検査をしないこともあります。

病気の重症度が高い場合や、結果によって治療方針が変更される可能性がある場合などには検査が検討されます。

たとえば、インフルエンザが疑われる場合は、インフルエンザの迅速検査が検討されます。また、病原体を特定することを目的として、血液検査や尿検査、痰を用いた検査などが行われることもあります。

呼吸器感染症によって臓器障害が生じている場合には、障害の程度を評価するための検査が行われます。具体的には、血液検査によるガス交換状況の評価、胸部単純レントゲン写真による肺炎の評価などが挙げられます。

治療

重症度や病原体によって治療方法が異なります。まず初めに、感染した病原体に効果が期待できる抗生物質や抗ウイルス薬、抗真菌薬、抗結核薬などの使用が検討されます。

また、発熱や喉の痛み、咳などの症状を緩和する対症療法が取られることもあります。

呼吸器感染症はとても身近でありふれた病気であるため、予防を試みることも大切です。たとえば、手洗い・うがいを徹底することで、感染の予防が期待できる病原体もあります。また、インフルエンザ肺炎球菌などに対してはワクチン接種も有効な予防法です。

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