きかんしえん

気管支炎

最終更新日:
2023年03月28日
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2023/03/28
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2021/01/27
更新しました
2017/04/25
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概要

気管支炎とは、下気道(気管、気管支)に炎症を起こす病気の総称です。いわゆる“かぜ”が上気道(鼻、咽喉頭)に感染し、炎症を起こす病気の総称であることに対して用いられます。

数日から数週間で治癒する急性気管支炎と、3か月以上症状が続く慢性(遷延性)気管支炎に分けられます。さらに、気管支の末梢(まっしょう)である細気管支という部分に炎症を起こす病態を細気管支炎といいます。

原因としてはウイルス、細菌などによる感染症・アレルギー喫煙・大気汚染・化学物質などがあります。原因により治療方針が異なりますが、細菌による気管支炎には抗菌薬を使用します。

原因

気管支炎はさまざまな原因により生じますが、原因の多くはウイルスによる感染症です。

原因となるウイルスは、ライノウイルス・コロナウイルス・アデノウイルス・RSウイルス・インフルエンザウイルスなど、かぜの原因にもなるウイルスです。また、細菌感染も急性気管支炎の原因となることがあり、マイコプラズマやクラミジア、インフルエンザ菌、肺炎球菌、百日咳菌などが挙げられます。

慢性、または短期間で繰り返す気管支炎の場合は、生まれつき免疫の一部に欠陥が生じており、免疫機能がうまくはたらかない “原発性免疫不全症候群(PID)”が原因であることも考えられます。そのほかの原因としては、アレルギー喫煙・大気汚染・化学物質などが挙げられます。

びまん性汎細気管支炎は、日本や東アジアの国々に多く、40~50歳代に好発する病気です。慢性副鼻腔炎(ちくのうしょう))を併発し、鼻汁や嗅覚障害などの症状がでることもあります。びまん性汎細気管支炎では、ヒト白血球抗原(HLA)がB54というタイプを持つ人が多いことが知られています。

閉塞性細気管支炎は、細気管支が炎症により狭くなり、空気中から十分な酸素を肺に取り込めなくなる病気です。感染や化学物質の吸引などで起こりますが、原因不明の場合に特発性と呼びます。免疫学的な機序が病気の発症に関係していることもあります。

症状

感染症が原因となる気管支炎の症状は炎症による発熱、咳、痰です。また、全身倦怠感(けんたいかん)食欲不振、胸の痛みが起こることもあります。小児の場合には元々気道が狭いため炎症でさらに狭くなり、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音が聞こえることがあります(喘鳴(ぜんめい))。このような状態を喘息様気管支炎といいます。

慢性気管支炎では、咳や過剰な痰が長期間続きます。疫学調査では、これらの症状が少なくとも2年以上にわたり、毎日または少なくとも連続して3か月以上続くときに慢性気管支炎と診断します。もっとも多い原因は喫煙です。

検査・診断

原因が多岐にわたるため、気管支炎に対する特別な検査はありません。原因を特定するための検査として、胸部X線検査・血液検査・喀痰(かくたん)の培養検査・胸部CT検査などを行います。

慢性気管支炎で症状が続く場合には、呼吸機能検査を行います。息を吐きだす力が弱まる閉塞性換気障害を認めたときには肺気腫の合併や細気管支炎を疑います。

治療

気管支炎の治療は原因によって異なりますが、根本的な治療法がないこともあります。主な治療法は以下のとおりです。

ウイルス性の気管支炎

抗菌薬が無効であるため、解熱鎮痛薬・鎮咳薬などを用いて症状の緩和を図ります。インフルエンザウイルスが原因の場合には、抗インフルエンザウイルス薬が使用されます。

細菌感染による気管支炎

抗菌薬の効果が期待できるため、細菌に合わせた抗菌薬を使用します。

アレルギー性の気管支炎

アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を除去することが治療となります。喘息に用いるステロイド吸入薬が用いられます。

びまん性汎細気管支炎

マクロライド系抗菌薬を少量で数年間内服します。

喫煙・大気汚染・化学物質が原因となる気管支炎

症状緩和を図ること、原因の除去が治療の中心となります。

閉塞性換気障害を伴う慢性気管支炎・細気管支炎

息切れなどの症状緩和を目的として吸入用気管支拡張薬を併用します。

予防

感染症による気管支炎の予防のためには、日頃からの手洗い・うがい・マスクの着用が有用です。バランスのよい食事や適度な運動、睡眠を取り、規則正しい生活を心がけるようにしましょう。

症状の悪化の予防としては栄養状態の改善やインフルエンザワクチン肺炎球菌ワクチンの予防接種が知られています。

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