きかんしえん

気管支炎

肺

目次

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概要

気管支炎とは、下気道(気管、気管支)に炎症を起こす病気の総称です。いわゆる「かぜ」が上気道(鼻、咽喉頭)に感染し炎症を起こす病気の総称であることに対して用いられます。数日から数週間で治癒する急性気管支炎と、3か月以上症状が続く慢性(遷延性)気管支炎に分けられます。さらに、気管支の末梢(まっしょう)である細気管支という部分に炎症を起こす病態を細気管支炎といいます。原因としてはウイルス、細菌などによる感染症・アレルギー・喫煙・大気汚染・化学物質などがあります。原因により治療方針が異なりますが、細菌による気管支炎には抗生物質を使用します。

 

原因

気管支炎はさまざまな原因により生じますが、原因の8割以上はウイルスによる感染症です。原因となるウイルスは、ライノウイルス・コロナウイルス・アデノウイルス・RSウイルスなど、かぜの原因にもなるウイルスです。また、細菌感染も急性気管支炎の原因となることがあり、マイコプラズマやクラミジア、百日咳菌などが挙げられます。感染以外の原因としては、アレルギー・喫煙・大気汚染・化学物質などが挙げられます。

一部、原因が解明されていない病気もあります。原因不明の細気管支炎として、びまん性汎細気管支炎や閉塞性細気管支炎が挙げられます。びまん性汎細気管支炎は、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)を併発し、鼻汁や嗅覚障害などの症状がでることもあります。

日本や東アジアの国々に多く、40~50歳代に好発する病気です。閉塞性細気管支炎は、細気管支が炎症により狭くなり、空気中の酸素が十分に肺から取り込まれなくなる病気で、免疫学的な機序が病気の発症に関係していると考えられています。
 

 

症状

感染症が原因となる気管支炎の症状は炎症による発熱、咳、痰です。また、全身倦怠感、食欲不振、胸の痛みが起こることもあります。小児の場合には気管が狭くなり、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音が聞こえることがあります(喘鳴(ぜんめい))。このような状態を喘息様気管支炎といいます。

慢性気管支炎では、咳、過剰な痰が長期間続きます。慢性気管支炎は、これらの症状が少なくとも2年以上にわたり、毎日または少なくとも連続して3か月以上続く状態です。

検査・診断

原因が多岐にわたるため、気管支炎に対する特別な検査はありません。原因を特定するための検査として、胸部レントゲン検査・血液検査・喀痰(かくたん)の培養検査・胸部CT検査などを行います。

慢性気管支炎で症状が続く場合には、呼吸機能検査を行います。びまん性汎細気管支炎では、ヒト白血球抗原(HLA)がB54というタイプを持つ人が多いことが知られています。

治療

気管支炎の治療は原因によって異なりますが、根本的な治療法がないこともあります。主な治療法は以下のとおりです。

ウイルス性の気管支炎

抗生物質が無効であるため、解熱鎮痛薬・鎮咳薬などを用いて症状の緩和を図ります。インフルエンザウイルスが原因の場合には、抗インフルエンザウイルス薬が使用されます。

細菌感染による気管支炎

抗生物質の効果が期待できるため、細菌に合わせた抗生物質を使用します。

アレルギー性の気管支炎

アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を除去することが治療となります。

びまん性汎細気管支炎

マクロライド系抗生物質を少量で数年間内服します。

喫煙・大気汚染・化学物質が原因となる気管支炎

症状緩和を図ること、原因の除去が治療の中心となります。

 

 

予防

感染症による気管支炎の予防のためには、日頃からの手洗い・うがい・マスクの着用が有用です。百日咳の予防接種はジフテリア・不活化ポリオ・破傷風と混合された4種混合(DPT-IPV)ワクチンとして、国が受けることを強く勧める定期接種に入っています。

予防接種の対象は生後3~90か月となっており、その間に4回接種するのが標準的です。百日咳は生まれて間もない時期にかかった場合に重症化しやすいことから、できるだけ早期に接種することが推奨されています。

 

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