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インタビュー

主な気管支炎5種類を解説−症状や検査、治療はどう行う?

主な気管支炎5種類を解説−症状や検査、治療はどう行う?
津島 健司 先生

千葉大学 大学院医学研究院呼吸器内科学/特任教授、国際医療福祉大学 医学部呼吸器内科学 主任教授

津島 健司 先生

記事1『急性気管支炎・慢性気管支炎の症状や原因、治療法について解説!』では、急性気管支炎慢性気管支炎の症状や治療法について解説しましたが、気管支炎はその原因や炎症が起きている箇所によっても、あらゆる種類に分類されます。

本記事では記事1に引き続き、千葉大学大学院医学研究院呼吸器内科学特任教授/国際医療福祉大学医学部呼吸器内科学主任教授である津島健司先生に、気管支炎の種類別の症状や治療法についてお話を伺いました。

気管支炎にはさまざまな種類があります。本記事では代表的な気管支炎の種類とその概要についてご説明します。

<主な気管支炎の種類>

花粉や埃などで咳き込む人

アレルギー気管支炎とは、花粉や埃、ダニなどのハウスダストによって引き起こされる気管支炎です。アレルギー性気管支炎では、血液検査を行うと特異的なアレルゲンに対するIgE抗体が確認できたり、末梢血における好酸球の増加がみられたりします。

ですから、慢性的に咳嗽(がいそう)が持続している場合、アレルギー性気管支炎の鑑別のために、医療機関で採血を行い、アレルゲンを特定する検査が行われることがあります。

喘息気管支炎(ぜんそくようきかんしえん)は気管支喘息のときと同様の「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」という喘鳴(ぜんめい)がみられます。そのため、「喘息様」という病名がつけられており、多くは小児に診断される疾患です。

喘息様気管支炎の診断には、気管支喘息との鑑別を行う必要があります。

まず気管支喘息では、聴診器で呼気音を確認するとウィーズ音(笛音:高いヒューヒュー、ピーピーという音)が聞こえます。

聴診でウィーズ音の所見が得られたら、次に肺機能検査で気道の可逆性を確認します。

肺機能検査ではまずスパイロメトメリーを施行し、そのあとβ2刺激薬という気管支を拡張させる薬剤を吸入し、再度スパイロメトリーをします。そして吸入前後の1秒量の改善率と改善量の計算をします。結果が「改善率12%以上かつ改善量200cc以上」であれば、気道の可逆性が認められることになり、気管支喘息であると診断できます。

肺機能検査は、開業医やクリニックなどではルーチンには行われていない検査であり、比較的大きな総合病院であれば受けることが可能であると考えます。

肺の仕組み

細気管支炎(さいきかんしえん)とは気管支の末梢である細気管支という部分が炎症を起こすことで発症する気管支炎です。細気管支炎は、2〜3歳の幼児が発症しやすい気管支炎で、細気管支が炎症による浮腫を起こすことで呼吸困難に至ります。

細気管支炎の一番の原因はRSウイルス感染であるといわれており、重症化するケースが多くあります。重症化すると、低酸素状態となり命を落とす危険性もあります。

細気管支炎が重症化すると「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」といった喘鳴や、陥没呼吸などがみられます。陥没呼吸とは、息を一生懸命吸っているにもかかわらず、お腹だけが膨らみ、逆に胸はへこんでしまっている状態です。

また、チアノーゼといって口唇や指先が紫色に変化するなどの症状は低酸素であることを示しています。小さな子どもは、自分で呼吸が苦しいことを訴えることが難しい場合が多いです。ですから、そういった所見を見逃さすことなく「様子がおかしいな」と感じたら早急に医療機関を受診するようにしましょう。

びまん性汎細気管支炎は、呼吸細気管支を中心とした部分が広範囲に炎症を起こす気管支炎です。小児で発症するケースは少なく、多くは成人で発症する気管支炎です。罹患者は日本人などのアジア人に多いといわれており、欧米での報告はほとんどありません。そのため、遺伝的、環境的要因があるのではないかといわれています。しかし今のところ原因は明らかではありません。

また、びまん性汎細気管支炎の多くの患者さんでは咳や痰の症状のほかに、鼻汁や嗅覚障害などもみられ、慢性副鼻腔炎蓄膿症)を併発します。そのため患者さんは最初に耳鼻科に受診をし、その際にびまん性汎細気管支炎であると診断されるケースも多々あります。

びまん性汎細気管支炎では、胸部CTやレントゲンなどで細気管支周辺が全体的に広がる粒状影(りゅうじょうえい)が確認でき、これによって診断されます。副鼻腔の所見を呈している場合は、副鼻腔気管支症候群といい、肺での合併症としてびまん性汎細気管支炎を呈していると考えた方がいいのかもしれません。ほかに、気管支拡張症を呈することもあります。

薬剤

びまん性汎細気管支炎は初期の段階であれば、マクロライド系抗生物質であるクラリスロマイシンの少量服用を約2年間継続していただく「マクロライド少量長期投与」が有効です。

初期であれば上記の治療が有効ですが、症状が進行している場合にはマクロライドの服用は効果がみられないことがほとんどです。ですから、比較的年齢の若い患者さんで、肺移植の条件を満たしている場合には、肺移植が適応となることもあります。

びまん性汎細気管支炎について詳しくはこちら

閉塞性細気管支炎は、細気管支が炎症を起こすことで閉塞してしまい、呼吸不全に至る疾患です。国の指定難病に指定されていて、患者数も少ない疾患です。発症原因は明らかではありませんが、骨髄移植や肺移植後の発症が多いことから、なんらかの免疫学的機序が作用しているのではないかと考えられています。また、マイコプラズマなどのウイルス感染の後、関節リウマチなどに発症するケースも報告されています。

閉塞性細気管支炎の治療では通常炎症を抑える治療が行われますが、特発性のものになると、びまん性汎細気管支炎と同様に肺移植が適応になることもあります。

 

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