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インタビュー

RSウイルスとは─乳児に見られる呼吸器感染症

RSウイルスとは─乳児に見られる呼吸器感染症

国立成育医療研究センター 小児医療系レジデント

村上 瑛梨 先生

石黒 精 先生

国立成育医療研究センター 教育センター センター長  臨床研究センター 副センター長・臨床研究...

石黒 精 先生

「RSウイルス」とは乳幼児がかかる感染症の代表的なウイルスで、特に1歳未満のこどもの細気管支炎肺炎の原因となります。

RSウイルスに感染してから、症状が出現するまでの期間は約4日間です。感染の初期に鼻水やのどの痛みが見られ、その1〜3日後に咳が現れます。
熱も出ずに軽症で終わることがありますが、肺に近い気道である細気管支に炎症が及ぶと、呼吸の状態が悪化してゼイゼイと音が聞こえるようになります。乳児の場合、哺乳量が低下したり、肋骨と肋骨の間がへこむ呼吸が見られたりしたら、呼吸が苦しいサインです。緊急で治療が必要な場合がありますので医療機関を受診してください。
また、息を止めて唇が紫色になるような「無呼吸発作」が見られる場合には入院が必要です。早産児や生後まもない乳児、心臓などに生まれつき病気があるこどもは、RSウイルスに感染すると呼吸の状態が悪くなりやすいので特に注意が必要です。

RSウイルスに感染した人の鼻水や唾液、手を介して他の人に感染がうつります。毎年冬になると流行してたくさんのこどもが感染します。

RSウイルス感染症は自分の免疫力だけで治る病気であり、水分と栄養をとりながら鼻水をこまめに吸引して回復を待ちます。入院した場合には酸素を投与したり、吸入をしたりしながら呼吸の状態をさらに悪くしないようにします。重症化して呼吸が不十分になってしまった場合は、一時的に呼吸マスク(CPAPといわれるもの)や気管挿管をして人工呼吸器で呼吸をサポートすることもあります。

RSウイルス感染症の多くは,自然に治る病気です。しかし、弱った体に別の細菌が感染したり、治癒した後も気道が敏感になり、軽い刺激でも喘息のような症状が現れることがあります。以下の3つはRSウイルスに多い合併症です。

RSウイルスによって鼻水が多くなると、耳にまで影響を及ぼすため、中耳炎になりやすくなります。30~80%の頻度で見られ、最も多い合併症です。

頻度は1~2%と少ないですが、命にかかわるような重症な細菌感染症を合併することがあります。生後3か月未満の小さいこどもに多く見られます。

RSウイルス感染症の後に気道が過敏になる状態で、風邪をひくたびにゼイゼイ(喘鳴(ぜんめい))することを繰り返すようになります。重症なRSウイルス感染症を起こした後の25%程度に見られます。

RSウイルス感染はこども同士でうつし合う可能性が高く、とくにRSウイルスが流行する冬季は注意が必要です。RSウイルスは鼻水や唾液、手を介して他の人にうつるため、しっかり手洗いとうがいをおこなうのが予防の第一歩になります。

パリビズマブ(商品名シナジス)とは、RSウイルスを攻撃する免疫物質である「抗体」からできています。感染が流行する初期の段階から、月に一回注射することで感染の重症化を防ぐことができます。現在は、下記のような重症化のリスクがあるこどもは保険が効いて受けることができます。

生後6か月までの間:在胎期間29週~35週の早産
生後12か月までの間:在胎期間28週以下の早産
生後24か月までの間:過去6ヵ月以内に気管支肺異形成症(BPD)の治療を受けたこども  
血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)
免疫不全を伴う新生児・乳児および幼児
ダウン症候群の患者

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    村上 瑛梨 先生

  • 国立成育医療研究センター 教育センター センター長/臨床研究センター 副センター長/臨床研究教育部長(併任)/血液内科診療部長(併任)

    石黒 精 先生

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