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ダウン症候群
ダウン症候群とは、よく「ダウン症」と呼ばれる染色体の病気です。 ヒトの正常の体細胞(デイプロイド)では、22対の常染色体と1対の性染色体があり、合わせて計46本の染色体を持っています。しか...
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ダウン症候群だうんしょうこうぐん

更新日時: 2018年08月24日【更新履歴
更新履歴
2018年08月24日
内容を更新しました。
2017 年 04 月 25 日
掲載しました。
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概要

ダウン症候群とは、よく「ダウン症」と呼ばれる染色体の病気です。

ヒトの正常の体細胞(デイプロイド)では、22対の常染色体と1対の性染色体があり、合わせて計46本の染色体を持っています。しかし、ダウン症では21番の染色体が通常2本のところが3本になっているトリソミーを示し(標準型ダウン症)、それにより各種症状が認められるようになります。

ダウン症では、筋肉の緊張低下・特徴的顔貌・成長障害などが見られ、全体的にゆっくり発達します。心疾患などを伴うことも多いのですが、最近では医療や療育、教育も進んでおり、多くのお子さんが学校生活や社会生活を送っています。

現在日本でのダウン症患者数は約8万人、推定平均寿命は60歳前後と考えられています。また、ダウン症の発症率は約700人に1人と推測されます

近年では、ライフスタイルの変化・女性の社会進出の促進に関連して高齢出産をする方も増えてきており、ダウン症に対しての認知度が高くなってきています。年齢が高くなるにつれ卵子の老化も重なり、ダウン症をはじめとした疾患が生じるリスクは上がると考えられています。

原因

ダウン症は染色体の構造の違いによって、標準型、転座型、モザイク型が存在します。このなかでも、21番目の染色体が正常では2本のところが3本存在する(トリソミー型)標準型がもっとも多く、全体の90〜95%ほどを占めています。

正常な卵子や精子は、それぞれ1本の21番染色体を持ちます。しかしなかには、2本の21番染色体をもつ卵子や精子があり、それが受精をすることで21番染色体が3本存在してしまいます。標準型のダウン症は、両親の染色体はほとんどのケースで正常です。

一方、転座型は全体の約5%を占めるパターンになります。転座型においては、どちらかの親がダウン症を来しうる染色体を保因していることにより、ダウン症が遺伝する形式をとります。

また、モザイク型は、すべての細胞ではなく、限られた体細胞がトリソミー型となっている状態で、その症状はモザイク状態の頻度により大きく変化します。

母体の年齢が、ダウン症の発症率と深く関与していることも知られています。実際、母親が20代前半では発症率が約1,000人に1人という確率に対して、40歳以上になると約100人に1人の確率となり、リスクが高くなります。しかし年齢だけでダウン症が絶対に発生するといい切れるわけではありません。

実際は、より低い年齢での出産が大半を占めるため、ダウン症候群の乳児のうち、35歳以上の母親から生まれるのは全体の20%に過ぎません。

症状

ダウン症に伴う症状は、全身各種臓器にみられ、成長面や発達面にも及びます。

ダウン症の方はとても特徴のある顔立ちを呈しており、共通する特徴として、全体的に平坦な顔貌、厚い唇、大きな舌、つり上がった眼等があります。

成長発達面の症状としては、筋力や言語発達の遅れがみられます。たとえば筋力が弱いために、積極性に欠けるように見えたり、おっとりした性格のように感じられたりすることもあります。また、言葉も不明瞭で、語尾だけを声にだしたり、抑揚のない話し方をしたりする場合もあります。

ダウン症においては身体的な合併症が生じうることも多く、循環器、消化器、耳鼻咽喉科、整形外科、血液内科、と多くの科にまたがった合併症が生じる可能性があります。

心臓の病気(心内膜欠損症など)、悪性腫瘍(白血病など)、消化器疾患(十二指腸閉鎖、鎖肛など)やその他、難聴、白内障、斜視といった感覚の障害、糖尿病、肥満といった内分泌の障害も時間の経過とともに現れることがあります。

検査・診断

妊娠中の検査・診断

妊娠中では、妊娠12週目頃から、胎児エコーにて後頭部の浮腫らしき部分(NT: nuchal translucency)が目立っている場合は、ダウン症の可能性があると判断されることがあり、染色体の検査を勧められる場合があります。

また、非確定的検査としては、母体の血液検査で、1)クワトロテストで4種類のマーカーを検査する方法(β−hCG、非抱合型エストリオール、インヒビン、αフェトプロテイン)、2)胎児のトリソミーを直接DNA検索するトリソミーマーカー検査(母体血胎児染色体検査:NIPT)があります。

これらの検査は母体の採血で行われるもので、侵襲度は低いのですが、これらの検査で異常が疑われた場合、より侵襲性の高い羊水検査(確定的検査)を行います。

妊娠20週より前にダウン症候群のスクリーニングを受けることが、年齢にかかわらず、すべての女性に推奨されています。

*母体血胎児染色体検査:NIPT (Noninvasive prenatal genetic testing)を受けることのできる方は、下記を満たす方に限定されます。

(1)出産予定日の年齢が35歳以上の方

(2)前児がトリソミーとして妊娠・分娩した経験のある方

(3)胎児が超音波検査や母体血清マーカー検査の診断結果などを受けてトリソミーの可能性を指摘された場合。

出生後の検査・診断

出生後のダウン症の診断は、特徴的顔貌から疑われ、各種臓器検索をする過程で染色体検査により確定されます。

この場合、患者さん自身の血液を用いて染色体検査を行います。転座型のダウン症が想定される場合には、ご両親の染色体検査が並行して行われることもあります。

治療

ダウン症は染色体に伴う疾患であり、染色体を根本的に治療する方法はありません。成長や発達、各種臓器障害に対して適宜治療介入を行うことが必要になります。ダウン症では、乳児期からさまざまな療育、また合併症を予防するための検診も必要になってきます。

また、ダウン症と一言にいっても、発達様式や合併症には大きな個人差があります。患者さんそれぞれの状況や家庭事情等に合わせて、継続的・永続的に関わっていくことがとても大切になります。

乳児期、幼児期、学童期、成人において、見据えるべきポイントも少しずつ変わってきます。たとえば乳児期であれば、普段の生活のなかで刺激をたくさん与え、興味を持ってもらうような関わりをすることが大切です。

ある程度運動発達が達成される学童期においては、社会生活における対人的な関わりのなかでの適応が求められるようになります。そのため大切なことはわかりやすく何度も伝え直すこと、環境が変化するときはゆっくりと慣れるまで時間をかけていくことを意識する必要があります。

ダウン症は、出生前から診断が可能な一方、一生涯周囲を含めて関わることが必要な疾患になります。そもそも検査をするのか、結果をどのように理解するか、どのように社会としてサポートするか、包括的なアプローチをとることが大切です。

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