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RSウイルス感染症
RSウイルスが飛沫感染、接触感染により体内に侵入することで主に乳幼児において気道感染症の原因となり、秋から冬にかけて流行します。生後1年で約60%、2歳までにはほとんどの乳幼児が感染し、ときに重...
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肺

RSウイルス感染症(あーるえすういるすかんせんしょう)

更新日時: 2017 年 12 月 05 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 12 月 05 日
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概要

RSウイルスが飛沫感染、接触感染により体内に侵入することで主に乳幼児において気道感染症の原因となり、秋から冬にかけて流行します。生後1年で約60%、2歳までにはほとんどの乳幼児が感染し、ときに重篤な呼吸器症状を伴う肺炎や細気管支炎を引き起こします。5歳未満児においては世界中で年間3億3800万人がRSウイルスによる下気道感染症を生じており、300~400万人が入院していると報告されています。

一度罹患しても終生免疫は獲得されず、繰り返し感染します。成人でも感染すると感冒様の症状を呈しますが、多くは自然軽快します。高齢者や免疫力の低下した成人においてはまれに重症化します。

原因

ニューモウイルス科に属するウイルスであるRespiratory syncytial virus(RSV)が飛沫感染、接触感染の経路により、鼻腔、口腔、眼粘膜よりヒトの体内へ侵入し、上・下気道へ感染を生じることにより発症します。これらの経路により容易に感染するため、老人福祉施設や病院における集団感染が問題となることがあります。

症状

感染すると2~8日程度の潜伏期間を経て、咳や鼻汁などの上気道症状がみられるようになります。次いで、数日のち感染が下気道に及ぶと喘鳴や多呼吸、陥没呼吸などの症状を呈します。生後1か月未満の新生児では呼吸中枢の未熟性や気道分泌物の貯留のために無呼吸を呈することもあります。乳児期においてはRSウイルスによる細気管支炎を生じることにより気管支の組織傷害が生じ、長期に喘鳴を繰り返すことが報告されています。また、喘息を発症する一因となるとの報告もありますが、一定した見解は得られていません。

検査・診断

鼻咽腔ぬぐい液を採取し、迅速診断キットを用いると10分程度で診断することができます。小児においては特に有効な検査です。RSウイルスに対する血清抗体反応をみる検査法もあります。しかし、急性期と回復期の2回検査を行い、ペア血清にて抗体価の上昇を確認する必要があり、実施には制約があります。

治療

RSウイルス感染症に対する抗ウイルス薬の研究は行われていますが、現在までにRSウイルスによる気管支炎や肺炎に対する特異的な治療法はなく、対症療法が基本となります。ここでの対症療法とは安静、適切な輸液などの水分補給、酸素投与、加湿、気道分泌物の除去などです。

予防

RSウイルス感染症の予防法としては特異的な獲得免疫を誘導するワクチンが研究されていますが、臨床において使用できるところまでは到達していません。現在、予防のためにできる対策として、モノクローナル抗体製剤であるパリビズマブがあります)。RSウイルス感染症が流行する秋から春にかけて、月1回の筋肉内投与を継続して行うことによりRSウイルスによる重篤な肺炎などの下気道感染症の発症を抑制する効果があるとされています。ただし、パリビズマブの保険適用での投与には制限があり、

  • 在胎期間28週以下の早産で、12か月齢以下の新生児及び乳児
  • 在胎期間29~35週の早産で、6か月齢以下の新生児及び乳児
  • 過去6か月以内に気管支肺異形成症の治療を受けた24か月齢以下の新生児、乳児及び幼児
  • 24か月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患の新生児、乳児及び幼児
  • 24か月齢以下の免疫不全を伴う新生児、乳児および幼児
  • 24か月齢以下のダウン症候群の新生児、乳児および幼児のいずれか

に該当する場合に限られています。

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