ていしゅっせいたいじゅうじ

低出生体重児

目次

項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

概要

低出生体重児とは、出生時の体重が2,500g未満の新生児を指します。また1,500g未満の出生を極低出生体重児、1,000g未満を超低出生体重児と呼びます。低体重で産まれたお子さんは、生後、体重に応じてさまざまな疾患に罹患することがあり、恒久的な症状を残すこともあります。

ただし、低体重で生まれても、原因や出生週数、体重などに応じてその経過には非常に大きな幅があることも知られています。体重が小さいからといって必ずしも出生後の経過がよくないわけではありませんが、慎重に経過を見守ることが大切です。

原因

低出生体重児は、早産の場合にみられることがあります。早産とは、妊娠22週以上妊娠37週未満での出産を指し、赤ちゃんがお母さんのお腹にいる時間が短い分、成長のために充分な時間を取ることができなくなります。そのため、必然的に早産で産まれたお子さんの出生体重は、小さくなる傾向があります。

また、子宮内での赤ちゃんの発育がうまくいかない場合にも、低体重での出生に至ることがあります。赤ちゃんの発育不全にもさまざまな原因がありますが、その多くが原因不明です。原因が分かったものとしてはお母さん側の要因と赤ちゃん側の要因がありますが、お母さん側の要因としては、妊娠高血圧症候群、胎盤の機能不全、子宮の形態異常などが挙げられ、赤ちゃん側の要因としては、ダウン症候群や13トリソミー、18トリソミーなどの染色体異常、遺伝子異常、風疹症候群を代表とする子宮内感染症などが挙げられます。

症状

低出生体重児の症状は、原因や程度によりさまざまです。体重が小さいこと以外、特別な症状を呈することなく経過することもありますが、出生後から低体温になりやすかったり、母乳やミルクをうまく飲めなかったりすることがあります。

重い症状としては、呼吸障害や頭蓋内出血が挙げられ、頭蓋内出血により嘔吐や哺乳障害、貧血などを呈することもあります。また、長期的に神経学的な後遺症を残すこともあります。

低出生体重児では腸管のトラブルを抱えることもあり、嘔吐や哺乳障害、排便障害、血便、お腹の脹れなどがみられることがあります。その他、黄疸(おうだん)皮膚(ひふ)などが黄色くなる)、視力障害、慢性的な呼吸障害、成長発達障害などのリスクを伴うこともあります。

検査・診断

赤ちゃんの体重は、妊娠中の母体の超音波検査を通して推定することが可能です。赤ちゃんの頭の大きさや大腿骨(だいたいこつ)の長さなどを測定することで、赤ちゃんの体重を推定しますが、1割ほど誤差があるので1回の検査だけで判定はせずに何回かの超音波検査で推定します。この際、同時に先天的な形態異常や染色体異常を思わせる形態異常の有無も確認されます。

出生後に行われる検査は、出生体重や週数、合併症の有無などによって大きく異なります。意識状態、体温や血圧、血液中の酸素濃度、呼吸数などの一般的な評価項目に加えて、レントゲン写真、超音波検査、心電図検査、血液検査、眼底検査などが行われることがあります。

治療

低出生体重児の治療は、週数や体重などから決定されます。生後すぐに呼吸循環サポートなどの集学的な治療が必要とされることがある一方、慎重な経過観察のみで対応されることもあります。

低出生体重児の状態は、時間経過と共に刻一刻と変化します。状況に合わせて、挿管やサーファクタントの投与、血糖管理、昇圧剤の使用、抗生物質の投与、輸血、栄養管理などが検討されます。体温が下がりやすいため、保温管理も重要です。

急性期を乗り越えた際に、貧血や網膜疾患などを発症することがあり、鉄剤やレーザー光凝固などの治療が検討されます。

低出生体重児は、長期的に成長障害や神経学的な障害を生じることがあるため、退院後も定期的に医療機関を受診し、合併症の早期発見早期治療につなげることが大切です。