がくしゅうしょうがい

学習障害

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概要

学習障害は、読字障害、書字障害、算数障害のサブタイプの要素を有する集団学習が困難な個体を示し、男児に多くみられるという特徴があります。言語圏によって有病率は異なることが分かっており、日本における読字障害の有病率は約0.7~2.2%とされ、アルファベット語圏の5~17.5%よりも少ないと言われています(2018年12月時点)。

原因

この病気の原因は単一ではなく、多くは先天性の脳機能障害が推定されています。しかし、外傷による脳損傷での発症も知られています。また、他の症候群の部分症状としても報告される場合もあります。算数障害は、Turner症候群、脆弱X症候群の女児でよく合併します。未熟児出生の小児では、読字障害や算数障害が多いという報告があります。

また、読字障害は常染色体優性遺伝であることが報告されています。サブタイプ相互の併存が多いことも特徴であり、一つの表現型に関する遺伝子が他の表現型にも強く関与していることが示唆されています。

症状

学習障害における各種症状には、以下のようなものがあげられます。

読字障害

1文字ずつ拾って読むという逐次読み、単語や語句の途中で区切ってしまう、文末などを勝手に変えて読むなどの特徴があげられます。また、文章を読んでいると疲れやすく、読み誤りが増えてくるという易疲労性が認められています。

書字障害

ほとんどが漢字の書字障害です。漢字の想起困難が多く、まったく思い出せないものから、なんとなく形は思い出せるが細部は曖昧となる症例までさまざまです。想起障害以外に部首の位置の誤り、意味が類似する字への誤り、書き順がばらばらであるなどの症状があります。

算数障害

加減算の習得の段階でつまずきを認め、10の分解と合成が定着できない、序数性が難しい、数列の理解が困難、2つ飛ばしや3つ飛ばしの数がわからないという症状がみられます。基数性に困難があると、数字と量のマッチングが困難となります。

検査・診断

学習障害が疑われる場合には、以下のような検査が行われることがあります。

読字障害に対しては、音読検査が有用です。読み書き症状チェック表により、単音連続読み検査、単語速読検査(有意味語)、単語速読意検査(無意味語)、単文音読検査の4つの検査を組み合わせて診断します。

書字障害では、小学生の読み書きスクリーニング検査を行いますが、特に指定された検査方法はありません。また、算数障害でも、特に指定された検査方法はありません。

治療

いずれのサブタイプでも、他の発達障害の合併が多いとされています。注意欠陥多動性障害や自閉症スペクトラム障害では、行動や対人関係の問題によって保護者や教師に気づかれることが多いため、医療機関でその診断がつくことが多くみられます。

行動や対人関係上の問題に対して治療が行われ、それらの問題が軽快してくると、次には学習障害が浮かびあがってくることになります。したがって、注意欠陥多動性障害や自閉症スペクトラム障害で医療機関に受診している場合、常に学習障害の問題も同時に意識して診療にあたることが重要です。

生活習慣の中で、語彙指導の中で熟語を教えたり、家族みんなで読書習慣を身に着けたりというような指導を行うことで、読字障害は改善していきます。書字障害については、書いて学ぶことを反復練習することが原則であり、それでも難しい場合は、パソコンでの代替入力手段の獲得を目指すことも有効です。算数障害は特別な治療法はない場合が多く、生涯のゴールとして何を設定するかを念頭に練習することが必要です。

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