症状
失読症では話し言葉の理解、復唱、書き取り、自発書字、自発話などにはほとんど異常がないにもかかわらず、文字を正しく読むことができず、他人が書いた文字はもちろんのこと、自分で書いた文字も、しばらくすると読むことができません。日本語には漢字と仮名(ひらがな・カタカナ)がありますが、漢字はある程度読めても仮名が読めない場合もあれば、仮名は読めても漢字が読めない場合もあります。また、文字を指でなぞることで読める場合など、失読のパターンはさまざまです。
軽症の場合、テレビのテロップを追うことができず、内容を理解できないと訴える人もいます。また、1文字ずつたどり読み(逐字読み)すると意味が分かりますが、文字数が多くなると読む時間が長くなって間違いが増えていきます。多くの場合漢字や仮名の失読はあっても、不思議なことにアラビア数字(0・1・2・3など)だけは読むことができます。障害される部位(左角回など)によっては、文字が読めないだけでなく書くこともできなくなる場合もあります(失読失書)。
そのほか、視野の右側半分が見えなくなる(右の同名半盲)、色を呈示してもその色の名前を答えられない(色名呼称障害)、絵の細部は理解できるのに、全体像を把握できない(同時失認)などの症状を伴うこともあります。
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