しょうじしょう

小耳症

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

小耳症とは、耳介(じかい)が産まれながらに小さい、もしくは完全に欠損している疾患です。小耳症は形態の問題だけではありません。聴力にも影響し、難聴となることがあります。

原因

耳介は耳の外に張り出て飛び出している部分です。胎児初期の器官形成期に耳の発育が不完全な状態になります。遺伝性は明らかではなく、家族内発生は数%です。第1第2鰓弓症候群と呼ばれる下顎、耳、口などに形態異常を生じる先天性疾患の症状のひとつとしてあらわれることもあります。日本人における発生頻度は6,000~10,000人に1人で、欧米諸国より高くなります。

症状

一つ目は耳介の欠損です。耳介がやや小さく軟骨の一部を欠くものから、耳介がほとんど認められない無耳症と呼ばれる状態まで様々です。二つ目は外耳道という耳の穴の閉鎖です。閉鎖により音の伝達ができず、難聴になります。3つ目は耳が小さい側の顔の骨の発達が不十分となることです。上あごや下あごが小さくなります。また顔面神経という顔の筋肉を動かす神経のはたらきが弱いため、眉毛が上がらない、眼が閉じにくい、口角の位置が下がるなどの症状がでます

検査・診断

診断は視診にて行います。生後間もなくの検診などで指摘されます。小児科医を中心に耳以外の奇形があるかも評価します。耳介以外の奇形有無を確認するためにCTなどの画像検査も行います。遺伝子疾患に関連して発症することもあるため、遺伝子検査を行うこともあります。また、聴力検査で聞こえの程度を評価することも重要です。

治療

治療は手術による耳介形成です。一般的には10歳頃に複数回の手術を行い、耳介を形成します。主に「肋軟骨を用いた耳形態のフレーム作成」と「耳介皮膚の再建」の2つから構成されます。肋軟骨移植術では耳介の形作るために柔らかく形成可能な肋骨の軟骨を使用します。

小児は大人より体の大きさに比し耳が大きいため、十分量の軟骨が採取できる体に成長するまで手術を待つのが一般的です。耳の成長は10歳頃までに成人とほぼ同じ大きさに達します。また、10歳頃になると精神的な成熟も見られ、治療に対して本人が積極的な姿勢を取れるようにもなります。これらがこのあたりの年齢を目安に治療介入を行う理由です。肋軟骨は加齢により柔軟性が失われ、フレーム形成が難しくなります。そのため、肋軟骨を用いた形成手術は20歳までが推奨されます。

皮膚の再建は耳介周囲の皮膚を移動させる皮弁を用いた方法や、薄く加工した皮膚を貼り付ける皮膚移植、tissue expanderと呼ばれる水風船のようなものであらかじめ進展させた皮膚で軟骨を覆う方法などさまざまです。小耳症の程度や各施設の方針によって手術の回数や方法は異なります。

小耳症では、耳以外の症状が合併していることもあります。これらも症状に応じて適宜治療介入を検討します。

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