治療
尿路狭窄症の治療には大きく分けて、経尿道的治療と尿道形成術があります。
経尿道的治療
経尿道的治療とは外尿道口からアプローチして行う治療のことです。皮膚を切開する必要がなく低侵襲で手技も簡便です。内尿道切開術と尿道拡張の選択があります。両者の治療効果は同等です。
この治療法は広く普及していますが、成功率が低いため、ガイドラインでは以下の条件を全て満たすごく軽症の狭窄にのみ適応が推奨されています。
- 狭窄が球部尿道に限局していること
- 外傷による狭窄でないこと
- 前治療歴がないこと
- 狭窄が2cm以下であること
- 単発であること
ガイドラインでは、これらの条件を満たさない症例への実施や、むやみに適応したり繰り返したりすることは推奨されていません。
尿道拡張
ブジーや風船(バルーン)がついたカテーテルを使用して尿道を拡張します。
内尿道切開術
内尿道切開術は、狭くなっている部分を内視鏡で観察しながら、レーザーやメスで切開して尿道を広げる方法です。
尿道形成術
尿道形成術は狭くなった部分を根本的に再建する手術です。軽症例を除く、大多数の尿道狭窄は尿道形成術により治療する必要があります。尿道形成術は尿道吻合術と代用組織を利用した尿道形成術に分類され、狭窄部位や狭窄の長さにより適切な術式が決められます。
尿道吻合術
狭窄部を切除し、残った正常な尿道同士をつなぎ直す方法です。
切除した部分を尿道の伸縮性で補う必要があるため、適応は限定的です。具体的には、伸縮性がよく、陰茎の型に影響しない部位、つまり2cm以下の短い球部尿道狭窄に適応が限られます。
代用組織による尿道形成術
狭窄部の尿道内腔を口腔粘膜や陰茎包皮などの尿道の代わりになる組織で補い、尿道内腔を拡張する方法です。
この方法は、尿道吻合術が適応できない例、つまり狭窄が長い例や陰茎部尿道に狭窄がある例に適応となります。
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