検査・診断
微小血管狭心症は、一般的な狭心症と異なり検査をしてもはっきりした異常がみられないこともあります。そのため、診断を下すにはさまざまな検査を行って胸痛発作などの症状を引き起こすほかの病気を除外していく必要があります。
具体的には次のような検査が行われます。
心電図検査
心筋の電気的な動きを体表面に装着した電極で感知して記録する検査です。症状がないときは心電図の異常はみられませんが、胸痛発作などが生じたときは心筋に血流が足りない際にみられる心電図の乱れが生じます。
また、一日をとおして発作の有無を調べるために24時間心電図を付けて波形を記録する“ホルター心電図検査”を行うこともあります。
冠動脈造影検査
足の付け根や手首などの太い血管からカテーテル(医療用の細い管)を挿入し、冠動脈まで至らせて造影剤を注入し、冠動脈の状態を描出する検査です。微小血管狭心症では冠動脈に病変はみられません。
また、同時に血管の収縮を促すアセチルコリンを注射すると、冠動脈に変化はないものの明らかに心臓への血流が不足した状態となることを心電図検査などで確認するのが一般的です。
また、カテーテル中に冠血流を測定したり、特殊なカテーテルを使用したりすれば、冠動脈の血管抵抗の上昇なども調べることが可能になってきています。微小血管の血管抵抗が高ければ、診断がつくこともあります。
心臓超音波検査
心臓にめがけて超音波を照射し、心臓の大きさ、動き、ポンプ機能などを評価することができる検査です。微小血管狭心症は心臓の機能が徐々に低下していくことがあるため、心臓の状態を把握するのに適した検査となります。
血液検査
血液検査のみで微小血管狭心症の診断を下すことはできませんが、心臓の機能や心筋のダメージの有無・程度を評価するために血液検査が行われます。
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