きゅうせいあるこーるちゅうどく

急性アルコール中毒

目次

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概要

急性アルコール中毒とは、多量のアルコールを短時間で飲むことで呼吸停止などが生じ、生命の危険をきたしうる状態のことです。

急性アルコール中毒は、大学生や新社会人など若者に多く、死亡する例もみられます。これらの悲惨な事例を受けて、若者にお酒の一気飲みを強要することを厳しく取り締まるようになってきています。しかし、それでもなお急性アルコール中毒になってしまう方は後を絶ちません。
 

原因

お酒に含まれているエタノール(アルコールの一種)という有機物の摂り過ぎが原因となります。エタノールはお酒だけでなく食べ物にも含まれていますが、中毒になるほど多量に摂取する機会のほとんどは飲酒です。

お酒に含まれるアルコールは主に小腸から血液中に吸収され,一部は胃からも吸収されます。酸化および消失速度よりも吸収速度のほうが速いため、アルコールが血中に蓄積されていき、約30分~2時間ほどで最高濃度に到達します。

アルコールが中枢神経系のγ-アミノ酪酸(GABA)受容体に直接結合することで神経細胞の活動が鎮静されると考えられています。アルコール濃度によって鎮静の程度は異なりますが、中毒レベルの濃度に達すると呼吸を司る延髄(えんずい)の中枢が鎮静され、意識障害を起こすだけでなく呼吸停止という危険な状態に陥ってしまいます。

症状

短時間で大量にお酒を飲んだ直後に中毒症状が起こります。症状は、血中アルコール濃度によって異なり個人差がありますが、以下があげられます。

  • 低度:軽い眠気や判断力の低下など
  • 中等度:ろれつが回らない、記憶があやふやになるなど
  • 重度:病的な意識障害や意識消失、呼吸抑制など

最悪の場合には、命の危険もあります。
 

検査・診断

まずは、意識障害の原因検索を行います。その後、血中アルコール濃度だけでなく、栄養不足の有無を調べるためのスクリーニング(ふるいわけ)としてビタミンB1や血糖値などの血液検査をおこないます。また、脳や肝臓、膵臓などの臓器障害がないかを調べる画像診断をおこないます。

治療

意識障害による呼吸抑制や吐物による窒息を防ぐために気道確保や人工呼吸による管理が必要となることがあります。

また、脱水状態となるため大量の点滴をおこなったり、低血糖がみられる場合には、それに応じた治療をおこなったりします。吐物を減らすために鼻から胃管という管を胃まで挿入して胃の内容物を吸引除去することもあります。