原因
RSウイルスは非常にありふれたウイルスであり、大きなお子さんや成人が感染した場合には鼻風邪程度ですむことが多いです。しかし、2歳未満の乳幼児がRSウイルスに感染すると、急性細気管支炎としての症状が前面に出ることがあり、重症化するリスクを伴います。
細気管支は気道系の中でも末梢側にあたる部位であり、乳幼児の細気管支は成人に比べて非常に狭くなっています。細気管支に炎症が生じると、粘膜がむくむことで健常人でも狭い細気管支がよりいっそう狭くなります。さらに分泌物が生じることで、細気管支が閉塞することもあり、細気管支における空気の通りが大きく障害を受けることになります。
RSウイルス感染症は、痰や飛沫中に含まれるウイルスに接触することで感染が広がります。おもちゃや毛布などにもウイルスは付着しており、乳幼児においては、お互いにうつしあってしまうこともまれではありません。そのため、保育園や幼稚園などの集団生活は、急性細気管支炎発症のリスク因子であるといえます。また、早産児や心疾患、肺疾患、免疫不全症、ダウン症、タバコの煙への暴露なども急性細気管支炎発症のリスク因子です。
医師の方へ
「急性細気管支炎」を登録すると、新着の情報をお知らせします