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Prostate
慢性前立腺炎
前立腺は膀胱の下で尿道を取り囲むように存在し、骨盤の一番奥にある器官です。体表からは陰嚢と肛門の間の皮膚の数cm奥のあたりに存在します。 もともと精液の一部である前立腺液を産生する器官で、...
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前立腺

慢性前立腺炎まんせいぜんりつせんえん

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
掲載しました。
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概要

前立腺は膀胱の下で尿道を取り囲むように存在し、骨盤の一番奥にある器官です。体表からは陰嚢と肛門の間の皮膚の数cm奥のあたりに存在します。

もともと精液の一部である前立腺液を産生する器官で、精巣からの精子と、精嚢からの精嚢液が混ざって前立腺から尿道に排出されます。ここに何らかの炎症を起こした状態が前立腺炎です。

前立腺炎はアメリカの国立衛生研究所(NIH)の分類で下記の4つに分かれます。

  • カテゴリーI(急性細菌性前立腺炎)
  • カテゴリーII(慢性細菌性前立腺炎)
  • カテゴリーIII(慢性非細菌性前立腺炎)
  • カテゴリーIV(無症候性炎症性前立腺炎)

さらにカテゴリーIIIは炎症を有するIIIAと炎症を有さないIIIBに分けられます。

このうち、カテゴリーIIとIIIを合わせて慢性前立腺炎と呼びます。

原因

長時間座った状態(デスクワーク、乗り物での移動、自動車運転など)や前立腺を圧迫する姿勢(自転車・バイクなど)などの機械的な刺激が原因のひとつです。また、不規則な生活、睡眠不足、ストレス、飲酒、刺激物(辛い物、コーヒー等)の摂取、冷えなども原因となります。ただし、その細かい病態については不明な点が多いです。

症状

典型的な急性細菌性前立腺炎の場合は、強い排尿時痛、高熱等の強い症状が出ることが多いのに対し、慢性前立腺炎では、陰茎、陰嚢、鼠径部、下腹部など、さまざまな部位における鈍痛や不快感、頻尿、残尿感、排尿時痛など症状が多彩であり、しばしば不定愁訴として扱われる場合があります。

また、骨盤周囲の疼痛、不快感を主症状とした慢性骨盤痛症候群や、畜尿時の膀胱痛を主症状とする間質性膀胱炎等と疾患概念が重なる点があります。

検査・診断

一般的な尿検査に加えて、尿沈渣で白血球尿(炎症がある場合にみられる)、細菌尿の有無を確認します。直腸診で前立腺を圧迫(前立腺マッサージ)した後の尿で白血球の存在を確認することもあります。

慢性前立腺炎症状スコア(NIH-Chronic Prostatitis Symptom Index: NIH-CSPI)による症状の客観的な定量化も試みられていますが、広く一般的に行われているわけではありません。

同じ前立腺に発生する悪性疾患として前立腺癌がありますが、慢性前立腺炎から前立腺癌になることはありません。PSA(Prostatic specific antigen)の測定は前立腺癌の除外目的に測定されますが、慢性前立腺炎においても上昇がみられます。前立腺癌の場合は常に高値となりますが、慢性前立腺炎では数値が上下するのが特徴です。したがって、鑑別のために複数回の測定が必要となる場合があります。

治療

治療は生活習慣の改善と、薬物療法に分けられます。

生活習慣の改善

原因となる長時間の座位を避ける、自転車やバイク、飲酒、刺激物の摂取を避ける、疲労やストレスをためず規則正しい生活を心がける、といったことが大切です。それで改善がみられない場合は薬物療法となりますが、病態が不明な点が多く、治療が長期間に及ぶことも多いです。

薬物療法

薬物療法には以下のようなものがあります。

抗生物質

一般的な検査では同定できない、一般細菌以外の病原体が原因である可能性を考え、抗生物質の投与が行われます。

αブロッカー

前立腺肥大症による排尿障害が原因のひとつであると考え、前立腺平滑筋を弛緩させ、尿流を改善させるαブロッカーが用いられることがあります 。

PDE5阻害薬

前立腺における末梢循環不全が原因と考え、ED(勃起障害)の治療にも用いられる血管拡張薬であるPDE5阻害薬が用いられることがあります。

セルニルトン

ヨーロッパに伝わる伝承医学で、さまざまな花粉からの抽出液エキスであるセルニルトンは、前立腺の炎症を抑える効果が認められ、本邦でも保険適応となって います。また同様の植物製剤であるエビプロスタットも 使用されることがあります。

漢方薬

竜胆瀉肝湯 、八味地黄丸 などの漢方薬が有効な場合があります。

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