検査・診断
成人スチル病は、関節リウマチなどほかの自己免疫疾患のように特定の自己抗体(自分自身の体を攻撃するタンパク質)がないため、症状や血液検査などによって炎症が生じる類似の病気の除外を行うことで総合的に診断されます。
この病気の診断には次のような検査が行われます。
血液検査
成人スチル病では炎症や肝機能障害などがみられるため、全身の状態を把握するために血液検査が必要になります。また、この病気では体内の鉄分貯留量を占める“フェリチン”という物質が異常に増えることが知られており、血清フェリチン値の測定が診断の手がかりになることも少なくありません。
そのほか、ほかの病気との鑑別を行うために各種の腫瘍マーカーや自己抗体などを調べる必要もあります。特に、関節リウマチや自己免疫疾患患者でみられるリウマトイド因子や抗核抗体という自己抗体(自らの体を攻撃する抗体)の存在が否定されることは、成人スチル病の診断基準の1つとなっています。
画像検査
成人スチル病では肝臓や脾臓、リンパ節の腫れなどが生じたり、合併症として胸膜炎や心膜炎、間質性肺炎などを起こしたりすることがあります。これらの有無を確認するため、X線、CTなどによる画像検査が必要です。
成人スチル病の患者さんとご家族の方へ
成人スチル病でよりよい治療を行うためには、普段のご自身の症状や状態、治療の希望を医師にしっかりと伝えることがとても大切です。「治療ノート」では、毎日の体温や痛み、皮疹などの症状、気になることや困りごとをスマートフォンやパソコンで簡単に記録することができます。
医師の方へ
成人スチル病について
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