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きょうまくえん

胸膜炎

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

胸膜炎とは、肺の表面あるいは胸壁を覆っている胸膜に炎症が起きた状態を指します。

原因

胸膜に炎症をもたらす原因はさまざまで、主な原因として感染症やがん膠原病(こうげんびょう)などがあげられます。なかでも、日本ではがんと結核に関連した胸膜炎が多いと報告されています。

感染症では、細菌性肺炎に続発する形で胸膜炎が生じることがあります。また、インフルエンザや結核などが原因となることもあります。がんに関連した胸膜炎としては、肺がんが代表的です。そのほか、胸膜中皮腫や他の臓器にあるがんが胸膜に転移することで胸膜炎を発症することもあります。

さらに、関節リウマチ全身性エリテマトーデスなどの膠原病、薬剤(アミオダロン、ブレオマイシンなど)、骨折などの外傷関連、アスベストなども胸膜炎の原因となることがあります。以上のように、胸膜炎の原因は多岐に渡るため、原因に応じて胸膜炎の治療経過は大きく異なります。

症状

胸膜炎を発症すると、胸の痛みや息苦しさなどの症状が現れます。また、大きく深呼吸をすると胸の痛みは強くなるため、小刻みに小さく呼吸をするようになります。そのほか背中に痛みが生じたり、咳や発熱などがみられることもあります。

胸膜炎では、胸腔に胸水という液体成分が貯留することがあります。多くの胸水が貯留すると、呼吸に伴う摩擦が軽減するため、痛みが軽減することがあります。しかしその一方、肺が胸水によって圧迫される可能性があり、呼吸困難が増強することもあります。

そのほか、原因疾患に関連した症状が併発することもあります。たとえば、インフルエンザであれば高熱や関節痛、倦怠感が生じますし、結核であれば体重減少や微熱、慢性的な咳などを生じる可能性があります。こうした随伴症状から原因疾患を探ることもできるため、症状の確認はとても大切です。

検査・診断

胸膜炎では以下のような検査を行います。

  • 胸部単純レントゲン撮影
  • CT撮影
  • 超音波検査(エコー)
  • 血液検査 など

レントゲンやCT、超音波検査などの画像検査では、胸水が溜まっているかどうかを評価したり、肺炎肺がん胸膜中皮腫などの原因を画像的に検索することもできます。血液検査では、感染症の評価や膠原病に関連した自己抗体の検索なども行うことができます。

また、胸に針を刺し貯留した胸水を採取する検査を行うこともあります。胸水を詳細に評価することで、結核がんの有無など原因を同定するうえで重要な情報を得ることが可能です。なお胸の痛みが、心臓が原因であることもあります。心筋梗塞の場合は、より迅速に治療を行う必要があるため、鑑別のために心電図を行うこともあります。

治療

胸膜炎の治療は、症状を和らげる対症療法と、胸膜炎の原因に対する治療に大きく分けることができます。対症療法では、胸膜炎の痛みを取り除くために鎮痛剤の使用を検討します。また、呼吸症状に対しては胸水を排除するために胸に針を刺して排液する治療を行うことがあります。

胸膜炎の原因に対する治療はインフルエンザが原因であれば抗インフルエンザ薬を使用しますし、細菌が原因であれば抗生物質を使用します。結核が原因となって胸膜炎が生じている場合には抗結核薬を使用しますが、治療期間が長期的になることがあります。がんの場合には化学療法や手術、放射線療法、胸膜癒着術などが行われますし、膠原病であればステロイドなどが検討されます。

原因に対してのアプローチを行うことが大切な胸膜炎ですが、原因は多岐に渡ります。そのため、原因を正確に特定したうえでの治療介入を行うことがとても重要です。

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