治療
房室ブロックの治療は、重症度によって大きく異なります。治療方針の決定は、めまいや失神など自覚症状の有無とその重症度、脈の遅さ、心電図所見をもとにして行われます。心電図上房室ブロックがあるような場合であっても自覚症状がなく血圧もしっかり保てているような状況であれば、多くの場合、治療は必要ありません。
一方、房室ブロックのなかでも心拍の調整が不具合を起こし、自覚症状を引き起こす場合もあります。特に完全ブロックと呼ばれる状況では、電気刺激が心室へとまったく伝わらなくなってしまっており、心房と心室が強調性なく無秩序に運動をしています。
心室へ電気刺激が届かなければ、心臓は必要充分に拍動することができません。特に、まったく前兆がないのにある瞬間から突然、何秒間か電気刺激が途切れてしまうようなものを「高度房室ブロック」と呼び、危険な徐脈性不整脈の代表とされます。
一般的に5秒以上の拍動停止は失神の原因になることがあり、突然死に結びつくことがあるため速やかな治療が必要です。 また、突然死は免れても失神の原因になったり、心臓からの血液の拍出が少ないため息切れの症状が出たり、心不全にいたる原因にもなります。
2017年現在、根治的な薬物治療はないため、人工ペースメーカを植え込んで正常のリズムに戻すことが選択されます。
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