しゅしへんけいせいかんせつしょう

手指変形性関節症

最終更新日:
2018年06月28日
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2018/06/28
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概要

手指変形性関節症とは、指の関節にある関節軟骨がすり減って骨同士が摩擦を繰り返すことで炎症や痛みを生じる病気です。

変形性関節症は股関節や膝関節など全身のさまざまな関節に起こり得ますが、手指に生じる変形性関節症は、親指の付け根や人差し指、中指の第一・二関節に起こりやすいとされています 。第一関節に生じたものはヘバーデン結節、二関節に生じたものはブシャール結節と呼ばれます。

手指変形性関節症は、高齢になるほど発症しやすく、70歳以上では半数以上が発症しているといわれています。また、変形性関節症には遺伝の関与も示唆されています。

原因

手指変形性関節症の原因は明確には解明されていませんが、加齢による軟骨組織の減少と過度な手指運動が発症に関与していると考えられています。

人の関節には、骨同士の衝突を防ぐためにクッションのような役割をする軟骨が存在します。この軟骨はコラーゲンなどを豊富に含み、非常に弾力性がある構造をしていますが、年齢とともにその弾力性は徐々に衰えます。また、若い頃は関節運動で破壊された軟骨組織を素早く修復する仕組みがはたらきますが、年齢を重ねるごとにその反応も衰え、軟骨はどんどん薄くなっていきます。

こうして、薄くなった軟骨はクッションの役目を果たすことができなくなり、骨同士が摩擦しあい、骨の形や関節周囲の構造が変化して炎症や痛みを引き起こすのです。

手指変形関節症は、細かい指の動きを要する職業の方ほど早く発症するといわれており 、繰り返す過度な指関節運動が発症の引き金となることがあります。また、女性ホルモンとの関連も指摘されており、関節内のむくみを改善する効果のあるエストロゲンが減少することで関節に炎症が起こりやすくなるとも考えられています。

さらに、関節リウマチや感染症、内分泌疾患などの全身性の病気の一症状として、手指に変形性関節症と似た症状の関節炎を生じることもまれではなく、正しい治療のためには慎重な鑑別が必要になります。

症状

発症初期の一般的な症状は関節の痛みであり、関節運動によって痛みが強くなるのが特徴です。通常は両手の指に左右対称に生じますが、関節軟骨のすり減りや骨変化が大きくなると、関節運動時だけでなく、安静時にも痛みを感じるようになり、こわばりが生じることもあります。

さらに関節内変化が進行すると、関節が動かしにくい、関節がきしむような音がする、といった症状がみられるようになり、最終的には関節が変形します。

手指変形性関節症で生じる指の変形としては、第一関節に生じるへバーデン結節と第二関節に生じるブシャール結節が有名です。これらの結節は関節内での骨と骨の摩擦によって生じた骨の変形部分に骨組織が異常増殖する結果、その部位の骨が腫大したものです。

検査・診断

診断をするうえで、もっとも重要な検査はレントゲン検査です。レントゲン検査では関節の変形を評価することが可能です。

また、関節リウマチや感染症などと鑑別するために、血液検査で炎症反応やリウマトイド因子などを調べることもあります。手指変形性関節症では、関節症状が進行しても炎症反応は上昇しないことが特徴です。

治療

多くは関節の安静と、消炎鎮痛剤や湿布などによる対処療法で改善します。痛みが強い場合には、病変部にステロイド薬の関節内注射が行われます。

特に親指の付け根に生じた場合には日常生活に支障が出ることも多く、関節を固定するために装具が使用されたり、手術が行われたりします。

一方、その他の部位にできた関節の変形に対しては、激しい痛みがある場合や日常生活に大きな支障がない限りは手術が選択されることは少なく、多くは保存的な治療での経過観察となります。

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