原因
手指変形性関節症の原因は明確には解明されていませんが、加齢による軟骨組織の減少と過度な手指運動が発症に関与していると考えられています。
人の関節には、骨同士の衝突を防ぐためにクッションのような役割をする軟骨が存在します。この軟骨はコラーゲンなどを豊富に含み、非常に弾力性がある構造をしていますが、年齢とともにその弾力性は徐々に衰えます。また、若い頃は関節運動で破壊された軟骨組織を素早く修復する仕組みがはたらきますが、年齢を重ねるごとにその反応も衰え、軟骨はどんどん薄くなっていきます。
こうして、薄くなった軟骨はクッションの役目を果たすことができなくなり、骨同士が摩擦しあい、骨の形や関節周囲の構造が変化して炎症や痛みを引き起こすのです。
手指変形関節症は、細かい指の動きを要する職業の方ほど早く発症するといわれており 、繰り返す過度な指関節運動が発症の引き金となることがあります。また、女性ホルモンとの関連も指摘されており、関節内のむくみを改善する効果のあるエストロゲンが減少することで関節に炎症が起こりやすくなるとも考えられています。
さらに、関節リウマチや感染症、内分泌疾患などの全身性の病気の一症状として、手指に変形性関節症と似た症状の関節炎を生じることもまれではなく、正しい治療のためには慎重な鑑別が必要になります。
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