原因
智歯周囲炎の原因である智歯の萌出異常は、萌出すべき場所の狭小、方向の異常、弱い萌出力など、顎と歯の発育の不調和によって生じます。
上顎は、萌出方向の異常があっても萌出可能な部分がひろいため、萌出障害を起こすことは少なく、上顎の智歯周囲炎の頻度は下顎より低いことがわかっています。まれに上顎智歯が頬側にむかって萌出し、頬粘膜の炎症がみられることがあります。
下顎は、萌出時に歯を覆っている歯肉と歯のポケットが大きく深いため、食べかすが残りやすく、炎症を起こしやすい構造になっています。また、萌出方向によって近心傾斜歯(手前に倒れている)、水平智歯(真横に生えている)、逆性智歯(上下反対方向に生えている)などといわれるものがあり、さらに萌出状態によって、半埋伏智歯、完全埋伏智歯があります。下顎智歯の植立状態が正常のものは20%以下で、多くは傾斜したり埋伏したりしています。これらの萌出異常のうち、無症状に経過するものもありますが、特に半埋伏智歯は智歯周囲炎となりやすいです。
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