ちししゅういえん

智歯周囲炎

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

智歯周囲炎とは、智歯(親知らず)の萌出異常により深いポケット(歯肉溝)が形成され、細菌感染によって歯の周囲に慢性の炎症が起こることです。ときとして急性の炎症がおこることもあります。主に20歳前後の下顎智歯の萌出期にみられます。

原因

智歯周囲炎の原因である智歯の萌出異常は、萌出すべき場所の狭小、方向の異常、弱い萌出力など、顎と歯の発育の不調和によって生じます。

上顎は、萌出方向の異常があっても萌出可能な部分がひろいため、萌出障害を起こすことは少なく、上顎の智歯周囲炎の頻度は下顎より低いことがわかっています。まれに上顎智歯が頬側にむかって萌出し、頬粘膜の炎症がみられることがあります。

下顎は、萌出時に歯を覆っている歯肉と歯のポケットが大きく深いため、食べかすが残りやすく、炎症を起こしやすい構造になっています。また、萌出方向によって近心傾斜歯(手前に倒れている)、水平智歯(真横に生えている)、逆性智歯(上下反対方向に生えている)などといわれるものがあり、さらに萌出状態によって、半埋伏智歯、完全埋伏智歯があります。下顎智歯の植立状態が正常のものは20%以下で、多くは傾斜したり埋伏したりしています。これらの萌出異常のうち、無症状に経過するものもありますが、特に半埋伏智歯は智歯周囲炎となりやすいです。

症状

一般的に、慢性の場合は無痛に経過しますが、ときとして急性発作を起こすことがあります。まず智歯周囲の歯肉に発赤や腫脹、自発痛、圧痛がみられ、炎症がすすむとポケットからの排や開口障害、嚥下痛、顎下リンパ節の腫脹・圧痛・硬結などが認められるようになり全身の倦怠感や、38度程度の発熱がみられる場合もあります。 

検査・診断

主にパノラマX線写真の撮影を行い、歯冠周囲の骨の吸収像(遠心部の半月状陰影など)の有無を確認することで診査します。

治療

慢性型では歯肉弁(智歯を覆っている歯肉)切除術、ないし抜歯を行います。歯肉弁切除は、智歯の萌出方向が正常で、智歯萌出の十分なスペースがある場合に行います。智歯の抜歯は術野が狭く困難であり、歯肉の切開、歯槽骨の削除や、歯の分割を必要とすることもあります。分割には歯科用のバーや、ノミを使用します。

急性型では全身的に抗菌薬、鎮痛剤の投与、局所的には洗浄、消毒、瘍が形成されている場合は切開を行います。開口障害が強く口腔内の処置が困難な場合は、刺激の少ない消毒液による含嗽(がんそう:うがい)を併用することもあります。急性症状が消退した後、抜歯を行います。

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