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有馬症候群

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原因

有馬症候群はCEP290遺伝子と呼ばれる遺伝子異常を原因として発症します。CEP290遺伝子とは、「中心体」や「絨毛」として知られる器官に関連して重要な働きをしています。中心体は、細胞増殖の過程において一つの細胞が二つに分裂する際に重要な役割を担っています。絨毛とは細胞の表面に出ている突起物のような構造をしていますが、細胞の動きや化学物質による情報伝達に関与する構造物です。特に情報伝達は多くの臓器に存在することが知られており、脳や指、腎臓などの形成に深く関与しています。CEP290遺伝子に異常が生じると、中心体や絨毛の働きが障害を受けることになり、各種臓器の形成が阻害されることになります。その結果として、有馬症候群で認めるような各種症状を引き起こすことになります。 同じく絨毛に関与する遺伝子には、AHI1、NPHP1、NPHP6、MEM67などが知られていますが、同遺伝子に異常が生じると有馬症候群と類似の症状を引き起こします。全体を含めて、「Joubert症候群関連疾患」という名前で知られています。 有馬症候群は、「常染色体劣性遺伝」と呼ばれる遺伝形式で発症すると考えられています。一種類の遺伝子に注目してみた時、人の細胞には2つ遺伝子が存在していますが、それぞれ1つずつ両親から遺伝子を引き継ぎます。有馬症候群の原因遺伝子であるCEP290遺伝子も、一つの細胞の中に2つ存在することになります。1つのCEP290遺伝子に異常があるだけでは病気を発症することはありません。しかし、例えば両親がそれぞれ1つずつ異常なCEP290遺伝子を有する場合を想定すると、子どもに異常なCEP290遺伝子が同時に伝播する可能性があります。その結果、子どもが2つのCEP290遺伝子異常を抱えることとなり、この場合に病気が発症することになります。すなわち、両親は病気の保因者となります。常染色体劣性遺伝では、病気がお子さんに伝わる可能性は、理論上25%であり、病気の保因者となる可能性は50%です。

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