治療
本態性高血圧症の主な治療方針は生活習慣の改善と薬物治療です。生活習慣の改善のみで血圧コントロールが不十分な場合に薬物治療が行われます。
生活習慣の改善
(1)食生活の改善:塩分6g/日未満、野菜・果物の摂取、コレステロールや飽和脂肪酸の摂取制限などが推奨されています。
(2)運動療法:有酸素運動を中心に定期的な運動を行うことが目標です。
(3)減量:体重[kg] ÷ {身長[m]}2 で計算されるBody Mass Index (BMI)が25kg/m2未満が目標とされています。
(4)禁煙
(5)節酒
降圧薬による薬物治療
降圧薬には多くの種類があり、単一の薬剤で効果が少ない場合は複数の薬剤を組み合わせて処方する場合もあります。最近では2つの薬剤が1つの錠剤に含まれる「合剤」と呼ばれる降圧薬が処方されるケースも増えてきています。
(1)カルシウム拮抗薬:血管の収縮を抑制することで血管を拡張させ血圧を低下させます。
(2)アンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB):アンギオテンシンIIという血圧を上げる作用を持つ物質の働きを抑えることで血圧を低下させます。
(3)アンギオテンシンII変換酵素阻害薬(ACE-I):アンギオテンシンIIが作られないようにすることで血圧を低下させます。
(4)利尿薬:尿を出すことで血管内の水分を減らし、また尿と一緒にNaを排出させることで、血圧を下げます。
(5)ベータ遮断薬、アルファ遮断薬:交感神経の作用を抑えることで血圧を低下させます。
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