原因
横川吸虫は巻貝の一種であるカワニナの中で、卵からセルカリアと呼ばれる幼虫へと変化します。セルカリアはカワニナの消化管を突き破り、水中へと広がります。
カワニナが存在する水環境は、アユやシラウオ、ウグイなどの生息域と一致しているため、こうした魚に寄生しメタルセルカリアと呼ばれる感染性のある幼虫へと変貌します。メタルセルカリアが寄生する魚をヒトが経口摂取することで、横川吸虫の感染が成立します。
ヒトの消化管に侵入した横川吸虫は成虫へと成長し、成長した横川吸虫は卵を産むようになります。卵そのものを人が摂取しても横川吸虫症を発症することはありませんが、卵で汚染された糞便によって水環境が再度汚染されるため、横川吸虫の成長サイクルが引き続くことになります。なお無治療の場合には、人の体内で横川吸虫は年単位で寄生することも知られています。
横川吸虫は日本を含むアジア諸国に広く広がっていることが知られています。日本では北海道以南の全国に分布しており、特に東海や西日本に多いとされています。さらに、日本では「アユの背ごし」、「シラウオの踊り食い」などのように魚を生で食する食習慣もあるため、感染リスクが高いといわれています。
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