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橈骨神経麻痺
橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)とは、手や手首の運動・感覚を司る橈骨神経に障害が生じることを指します。手が動かなくなるなどの症状が出現するようになります。 橈骨神経は脊髄(せきずい)に...
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手

橈骨神経麻痺とうこつしんけいまひ (別:腕枕症候群/土曜夜の麻痺)

更新日時: 2017年04月25日【更新履歴
更新履歴
2017年04月25日
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概要

橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)とは、手や手首の運動・感覚を司る橈骨神経に障害が生じることを指します。手が動かなくなるなどの症状が出現するようになります。

橈骨神経は脊髄(せきずい)に端を発し、上腕の外側、前腕、指先の筋肉に至るまで広く走行しています。長時間上腕部位に圧迫をかけることで発症することもあるため、「土曜夜の麻痺(まひ)」や「腕枕症候群」といった通称名も存在します。アルコールを飲んで眠りこけてしまった場合に発症することもあります。

原因

橈骨神経は脊髄の神経に端を発し、上腕から前腕、指先まで長い走行を示す神経です。上腕では外側を走行して、前腕へと侵入します。こうした走行に関連して、上腕部位にて圧迫を受けると神経麻痺を生じることがあります。「土曜夜の麻痺」や「腕枕症候群」などの名称も知られていますが、実際には短時間のうたた寝程度でも神経麻痺を来すことがあります。また、アルコールを深飲した後気付かぬ間に神経圧迫をしていて、起きたら発症した、というようなこともあります。

また、橈骨神経は前腕部に入ると後骨間神経と呼ばれる分枝を出します。この神経はFrohseのアーケードと呼ばれる生理的に狭い部位を走行するため、ここで障害を受けることも多いです。この場合に起きる神経障害を「後骨間神経麻痺」と呼びます。神経支配と関連して、全般的に橈骨神経は「背屈」と呼ばれる手首をあげる、指先を伸ばす、といった動作に重要な筋肉の運動を司っています。また橈骨神経は、親指や人差し指、中指の手の甲側の感覚、前腕の親指側の感覚にも関与しています。

橈骨神経麻痺は、上腕部位への外的な圧迫をきっかけとして発症することがあります。その他の原因としては、外傷をきっかけとした開放創や骨折(上腕骨骨折や上腕骨顆上骨折など)があります。後骨間神経麻痺は、Monteggia骨折、ガングリオンなどの腫瘤、神経炎、筋肉の酷使などを原因として発症します。

症状

橈骨神経は、手首や指先の動作に関連した筋肉支配に関与しています。また親指や人差し指、中指の手の甲側の感覚、前腕の親指側の感覚にも関与しており、橈骨神経麻痺を生じると障害部位に応じてこれらの運動・感覚に異常を来すようになります。

上腕骨の圧迫などで橈骨神経麻痺を生じると、手の甲にしびれを感じるようになります。運動機能障害としては、手首をあげることができない、指を真っすぐに伸ばすことができない、といった症状を呈するようになります。この症状による見た目の状況から「下垂手」と呼ばれます。

後骨間神経麻痺では、しびれなどの感覚障害は認めません。運動障害の程度も様相が異なっており、手首の運動は問題なく行うことができますが、指先を伸ばすことができません。この症状による見た目の状況から、橈骨神経麻痺の「下垂手」と比較して、「下垂指」と呼ぶこともあります。

検査・診断

橈骨神経麻痺及び後骨間神経症候群の診断は、感覚障害の有無や運動障害をもとにしてなされます。下垂手や下垂指の所見は重要な判定項目です。また、神経麻痺では、神経が障害を受けている部位を外部から叩くと神経支配領域に痛みが出現することがあります。このことを「Tinelサイン」と呼びますが、この所見も診断には重要です。

その他、麻痺を生じるようになった原因検索や症状の程度の評価を目的として、レントゲン写真やMRI、エコーなどの画像検査、筋電図検査などが必要に応じて行われます。

治療

外傷や腫瘍などがきっかけとなって発症した場合、観血的な処置(手術など出血を伴う処置)を行うことで原因を排除します。また保存的治療で経過観察を行うこともあります。具体的には、局所の安静を図るために固定をしたり、ビタミンB12や消炎鎮痛剤の投与などを行ったりすることがあります。また関節の拘縮(こうしゅく)(関節可動域制限を起こした状態)を予防するためのリハビリテーションも大切です。

以上のような保存療法を行っても症状が改善しない場合には、手術が行われることになります。橈骨神経麻痺が進行すると、神経障害が持続し、最終的には筋力の低下を呈する危険性もあります。そのため、神経損傷があるものであれば神経剥離(はくり)、神経抱合、神経移植などが行われます。筋肉の障害が強く、筋力の回復が見込めない場合は腱移行手術が選択されることになります。これほどの病状進行が生じる前に治療を行うことが重要です。