検査・診断
症状などから漏出性便失禁が疑われるときは、肛門括約筋の機能などを評価するために次のような検査が行われます。
肛門内圧検査
肛門内に“圧力”を測定できるカテーテル(細い管)を挿入し、肛門括約筋の収縮力を測定する検査です。この検査で、安静時の肛門管内の圧力(静止圧と呼ばれます)が低い(一般的には40mmHg未満)と、漏出性便失禁の原因が内肛門括約筋機能低下であると考えられます。
直腸バルーン感覚検査
直腸内にバルーン(風船)を挿入して膨らませ、直腸の感覚を調べる検査です。バルーンに注入した空気の量で評価しますが、かなりの量を注入しても便意を感じなければ、便意が生じにくい状態で直腸感覚低下と診断します。
肛門管超音波検査
肛門に、親指大程度の太さの円筒状の超音波検査機器を挿入して、肛門括約筋が損傷したり異常に薄くなったりしていないかなどを調べる検査です。
内肛門括約筋は加齢とともに厚くなるので、65歳以上で厚さが2mm以下だと異常に薄い内肛門括約筋変性症と診断します。内肛門括約筋変性症では、内肛門括約筋機能低下を生じやすく、漏出性便失禁の原因となります。
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