さんじょくせいしんびょう

産褥精神病

最終更新日:
2020年09月29日
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2020/09/29
更新しました
2017/04/25
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概要

産褥精神病とは産褥期に生じる精神疾患のなかでももっとも重症の病気で、500~1,000回の出産に対して1人の割合で発症する大変まれな病気です。

主な症状として、精神的な興奮や錯乱、まとまりのない言動などがみられます。幻覚や妄想など強い精神症状が引き起こされ、錯乱状態に陥って自殺や他害(赤ちゃんや家族を傷つけること)の恐れもあるため早急な治療が必要です。

発症の予測は困難で、出産後1週間以内に発症して急激に悪化し、速やかに精神科病棟への入院が必要になることが多いです。

原因

産褥精神病の明確な発症メカニズムは、はっきりと解明されてない部分も多いようです(2020年9月時点)。

リスク因子として、双極性障害の既往歴や家族歴がいわれている一方、ライフイベントなどとの関連はほとんど認められていません。

症状

産褥精神病の症状の現れ方は人によって大きく異なります。

産後3日の間に不眠や気分の変調、赤ちゃんに対する過剰な不安などの症状が出ているケースもあります。多くは、産後1か月以内に妄想や、ときに幻覚を訴えて異常な興奮状態となり、錯乱を引き起こすことが特徴です。

妄想が出現すると、家族や周囲の人の思いやりだけでは修正できず、著しい抑うつの結果、食事が取れない、赤ちゃんのお世話ができないなど生活が困難となり、重症な場合は自殺や赤ちゃんに危害を加えてしまうリスクもあります。

検査・診断

産褥精神病は急性の病気であり、主に症状から診断されることが一般的です。

治療

産褥精神病の治療は向精神病薬や気分安定薬などの薬物療法、電気けいれん療法などが行われます。患者さんが治療に専念できるように、家族と相談し、家族を支えながら育児支援体制を整えていく必要があります。また、幻覚や幻聴、錯乱などの症状が強いときは外来通院で治療を行うことはできず、速やかに入院治療が必要となります。

経過は治療によっておおむね予後良好ですが、その後に双極性障害を発症するリスクも指摘されています。さらに、次回の妊娠産褥期に再発する可能性が30〜50%といわれています。そのため、次回の妊娠・出産の際は事前に既往歴を確認するなどの注意が必要です。

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