ほっしんねつ

発疹熱

最終更新日:
2018年09月13日
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2018/09/13
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概要

発疹熱とは、発疹熱リケッチアという細菌を原因として発症する感染症のことを指します。野生のネズミなど齧歯類(げっしるい)が、この細菌の病原巣となります。

主に衛生環境の整っていない海外でみることの多い感染症ですが、まれに日本国内でも発症することのある病気です。

治療をしなくても自然に治癒することのある病気ですが、まれに重症化することもあるため注意が必要です。

原因

発疹熱は、発疹熱リケッチア(Rickettsia typhi)に感染することを原因として発症します。

発疹熱リケッチアは、ネズミに寄生する傾向のあるネズミノミの体内に潜伏する細菌で、ネズミノミの糞便の中に混入することがあります。

そのため、主にネズミノミに刺されることや、皮膚の引っかき傷などを介して、発疹熱リケッチアが体内に入り込むことで感染が成立します。

発疹熱リケッチアは、衛生環境の整っていない地域に多く分布することが知られており、流行地域からの国内持ち込み例として発症することがあります。

保健衛生の関係上、国内での発症報告は少ないですが、病原体が潜むノミは日本でも生息が確認されています。そのため、頻度は高くないとはいえ病気を発症するリスクはあります。

症状

発疹熱リケッチアの混入がみられるノミとの接触後、2週間前後の潜伏期間を経て病気の発症に至ります。

生じる可能性のある症状としては、発熱や寒気、全身倦怠感、筋肉痛、食欲低下、関節痛など、インフルエンザにも類似した症状を挙げることができます。また、吐き気や嘔吐、腹痛、咳などの症状が現れることもあります。

さらに、病名からも推察されるように、体幹を中心とした発疹の広がりを確認することもあります。

多くの場合、治療を行わなくても自然に治癒します。しかし、重症化するケースもあり、その際には肝臓や腎臓、心臓、肺、脳など全身各所の臓器が障害を受けます。

その結果、黄疸(おうだん)や尿量の低下、息苦しさ、意識障害などの症状が出現し、命にかかわる可能性もあります。

検査・診断

発疹熱リケッチアに感染すると、体内では病原体を排除しようという免疫反応が構築され、抗体と呼ばれるタンパク質が産生されます。

そのため、血液検査を行ないこの抗体を検出することで、発疹熱の感染を証明することがあります。ただし、一度の抗体検査でははっきりしないこともあるため、複数回の血液検査を要する場合もあります。

また、血液を用いてPCR法と呼ばれる方法を行い、遺伝子検査を行うことで診断することもあります。

発疹熱は時に重症化することもあるため、臓器障害の評価を目的とした血液検査や尿検査などが検討される場合もあります。

治療

発疹熱は無治療でも自然に治癒することのある病気ですが、治療が必要と判断される場合には、テトラサイクリン系と呼ばれる抗生物質を用いて治療します。

軽症で済むことが多いとはいえ、時に重症化することもあります。そのため、予防策を講じることも重要です。

具体的には、感染経路であるノミとの接触をさけるために、衛生環境の向上を努めることが重要です。また、ノミの付着が疑われる動物とは極力接触を避けることも大切です。

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