原因
網膜は外部から取り込んだ光を電気信号に変換する、視力を形成するうえでなくてはならない存在です。
網膜全体は細かな血管網が通っていて、すみずみまで栄養が供給されるようになっています。網膜へと送られる血液は網膜中心動脈から供給されています。網膜動脈と並走する網膜静脈に戻った血液は、視神経乳頭で再び一本に集まり、視神経内を通って心臓に戻されます。網膜に血液を供給する血管のうち網膜静脈が閉塞すると、網膜静脈閉塞症を発症します。
網膜静脈の分布は細かく分岐しており、中心部で障害を受けると網膜中心静脈閉塞症、分岐先で血管閉塞が生じると網膜静脈分枝閉塞症を、それぞれ発症することになります。このとき、血管の閉塞部位に関連して眼底に出血が生じると黄斑浮腫を生じることもあります。
黄斑部は網膜の中心部に位置し、この部分に多くの視細胞が密集しています。そのため、黄斑部に浮腫や虚血が起こると視力が著しく低下してしまいます。網膜中心静脈閉塞症の場合は基本的に黄斑浮腫が起こり、網膜静脈分枝閉塞症の場合は閉塞が黄斑部にかかっている場合に起こります。網膜の血管病変として発症する網膜静脈閉塞症ですが、発症には高血圧や高脂血症などが大きく関与しています。その他、緑内障も発症のリスク因子であると考えられています。
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